お坊さんの独り言

活動詳細はHP「妙法庵」で検索ください

お師匠様訪問

房総半島の真ん中に位置する千葉県大多喜町
徳川四天王の一人・本田忠勝公が大多喜城主として
十万石を賜り、城下町として栄えた房総の小江戸です。
美味しいタケノコの産地としても知られています。

 

私が23歳で出家し、

僧侶として育てて頂いた師匠寺が
大多喜町平沢の妙厳寺です。
久しぶりにお参りし、

お師匠様とお会いして来ました。

感慨深い、ひとときでした。


始めて妙厳寺に伺ったのは14歳の時ですから
お師匠様とは、かれこれ36年のお付き合いになります。
法拳という法名(戸籍上もこれが本名です)の

名づけ親でもあり、僧侶としての基礎を

一から付けて頂き、育てて頂いた恩師です。


私が出家を希望し、師匠となる僧侶を求めていた時に
妙厳寺の野坂住職ならば、真っ当な僧侶として

  導いてくださるに違いない」、と確信して入門を乞い

  受け入れられたのでした。


私が今こうして居られるのも

妙厳寺の威徳や、親族のように接して下さった

檀家さん達のお蔭であり、

真っ当に育てて下さった

野坂お師匠様のお力によるのです。
今日まで各所で修行させて頂き、

お導き頂いた御僧侶方は皆様が

お師匠ではありますが、

大元の導き手は野坂住職であります。

 

足掛け10年、御寺に滞在させて頂き、

本当に色々な事を学ばせて頂きました。

毎日、朝夕6時に鐘を突くのですが

寝坊した朝などは

「法拳さん、今朝は5分遅れたね」などと

檀家さんがチャチャを入れて下さり

談笑したものでした。

お寺の中だけでなく、

世間様が人間として育てて下さいました。


当時は駆け込み寺として

色々な悩める人達と一緒に共同生活をしたり、

子供たちの生活体験の教育場として
寺を解放していたので、

蒔き割りで風呂やご飯を炊いたり、

畑作業などに汗を流しました。


読経だけでなく、あらゆる事柄が修行であり、
その経験が言葉より行動に移す原点となりました。


妙厳寺では今でも夏休みに子供道場を開催しています。
詳しくは御寺のHPを御覧ください。

myogonji.jp

 

師の存在は、道を求める者に必要不可欠です。

ビジネスの世界では

メンターと呼んで指導者を意味しますが、

仏道における師匠は意味合いが違います。

「 親子は一世、夫婦は二世、主従(師弟)は三世 」

「弟子の用意が出来た時に、師匠が現れる」

の言葉通り、深い縁(えにし)によるものです。

普段、自分がどんなアンテナを張っているか、

が要のように感じます。

 

師の恩に報いるためにも、

今後も精進と布教活動に
邁進して参ります。

房総方面へお越しの際は

ぜひ妙厳寺へお参りください。