お坊さんの独り言

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大月市の岩殿山

奥の院思親閣、七面山に続いて

今日は岩殿山に登って参りました。

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戦国時代、甲斐の郡内地方を治めた小山田氏の居城跡です。

元々は9世紀頃に栄えた天台修験の霊場だけあって

切り立つ絶壁の岩山は厳かな雰囲気を漂わせています。

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大月駅から徒歩で一時間ほど山頂へ。

日帰り登山には、ちょうどいい距離なので

家族連れなどで賑わっていました。

 

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山頂から望む富士山、絶景です!

これで下山なら負担は少ないのですが、

西の稜線を更に登っていくと

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岩場に鎖がいくつもあって、

スリリングな岩壁登りが体験できます。

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写真手前の岩肌から先は

直滑降の絶壁で、足がすくみました。

滑って落ちたら・・終わりです。

クリフハンガー」か!と

突っ込みたくなる岩壁です。

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ここは通称「稚児落とし」と呼ばれる難所。

小山田氏の側室が敵陣から逃亡の際、

赤子が泣き出した為、家来が赤子を投げ落とした

悲しい伝説が残る場所なのです。

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こんな高所から想像しただけで

ぞっとします。

戦さは本当に酷いものです。

供養を込めて、歩きながら

お経やお題目を唱えました。

 

余談ですが、岩殿山は天台系修験ですから

回峰行者のように不動真言を唱えて

歩いていたのかもしれません。

試しに、不動真言を唱えながら

歩いてみました。

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「のうまく・さんまんだーばーざらだん

・せんだん・まーかろしゃーだーそわたや

・うんたら・たーかんまん」

唱えてみたら、

アップダウンが激しい山道を

駆け歩く(走る)のに、

このリズムがとても合うのです。

お題目の「なむみょうほうれんげきょう~」は、

平地での行進に適してると感じます。

天台真言修験系を「山の宗教」、

日蓮法華系を「町の宗教」と俗称する

もう一つの意味を体感しました。

 

今日は、私とご縁のあった大切な方が

新天地へ飛び立つ日でもありました。

陰ながら旅路の無事と

新天地での更なる活躍を祈り、

山頂より掌を合わせました。

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ひょっとしたら、岩殿山の下を走る

中央高速道路をバスに揺られながら

移動していたのかもしれません。

お互いの行動に気づかないだけで、

人生は「人間交差点」だから

そんなこともあるかも、と

岩山を登り続けました。

 

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昨夜は満月、そして新嘗祭

日本そして世界が

美しく調和のとれた

毎日でありますように。