お坊さんの独り言

活動詳細はHP「妙法庵」で検索ください

お盆を終えて

今夏も師匠寺がある

千葉県へ出向し、

お檀家さんの家々をご供養に

廻ってまいりました。

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足かけ10年滞在した師匠寺、

お世話になったお檀家さん達との再会、

ここは私にとって第二の故郷です。

 

今年は空いた時間を利用して

お檀家さん以外の

千葉県でご縁のある方々の所へ

伺ったり、会えずとも電話でお話したり

濃密な3日間を過ごさせて頂きました。

お世話になった皆さんお一人お一人に

深く感謝しております。

 

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道中、田園では早くも稲穂が頭を垂れていました。

 

皆さん、それぞれ悲喜こもごもの日常生活を送り、

生老病死の波を超えたり、今立ち向かっていたり、

移り変わる人生を営んでおられます。

昨年お会いした方が亡くなっていたり、

長年、独身だった方が

良縁に恵まれていたり、

数年ぶりの再会があったり。

 

そんな日常の節目に、お盆棚を祀り

たくさんのお供え物を並べ、

竹と和紙で作った盆提灯を飾り

お墓にご先祖様を迎えに行く。

家々では、お坊さんを迎え

家族が共に座り、お題目を唱える。

 

連綿と続いているお盆の行事が

どれほど亡き霊の供養と

子孫の健全な精神性に

影響を与えていることか、

毎夏そう感じています。

 

今年もここに記しきれないほど

多くの懐かしい方々とのドラマがありました。

 

「与えるものは、与えられる」

この真理を強く実感したお盆でした。

 

 

 

ルポルタージュ『津波の霊たち』

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本書は外国人記者の視点から描かれています。

この本のテーマは主に二つ。

宮城県石巻市、大川小学校での事故。

もう一つは、東日本大震災以後に

頻発した心霊現象について。

 

大震災の悲劇を感情的に記すのではなく、

客観的に鋭く冷静な指摘と洞察によって

日本社会の様々な「ズレ」を浮き彫りにしています。

 

根気強く歳月をかけ

丁寧に被災者と向き合い、

どちらの立場にも与しない取材姿勢と、

被災された方々の生の叫びに、

圧倒されながら読み続けました。

 

東北の被災地のニュースを聞く機会も

めっきり減り、被災者への支援や心のケアが

これまで以上に置き去りにされている感が

否めない今日、手にとって頂きたい一冊です。

お盆休みにぜひ一読をお勧めします。

 

 

暮らしの手帳

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今春、山形県上山市

親類宅へ伺った際のお茶うけ。

自家製の梅干しに干し柿、漬物に加え

春の山菜が満載でした。

家庭に代々受け継がれてきた味付け、

日本人のDNAが歓喜する絶品でした。

 

身土不二、一里四方の食材を摂取すること、

季節の食材を食べること。

夏野菜は解熱成分を含んでいる。

そんな当たり前のことを

暮らしに取り入れていきたいと

心がけています。

 

今日は原爆忌

高萩市・妙法庵でのお経と法話の会。

季節ごとに年中行事として開催しています。

参加される方のほとんどは他宗派や神道

または新宗教の信者さんです。

 

私も日蓮宗に改宗を勧めないし、

檀家へ入会のお誘いもしません。

来る者拒まず、去る者追わずです。

 

参加人数もほとんど増えない

ささやかな集まりですが、

それでも皆さん自主的に

お参りに来て一緒にお題目を唱え、

お茶会を楽しんでお帰りになります。

 

今回はお盆の施餓鬼供養と

ほうろく灸祈祷会。

皆さんにご先祖のお位牌を

持参していただき、ご宝前に供えて

みんなで一緒にご供養するのが

妙法庵のお盆スタイルです。

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ご供養の後は、恒例のほうろく灸祈祷。

ご先祖様と子孫の双方、気持ちよいひとときを

過ごして頂きました。

 

明けて今日は、73回目の広島原爆忌

数年間、この忌日に原爆ドーム前

ご供養のお参りをさせて頂いたことがあります。

あの場所に行かなければ分からない、

夏の記憶が残っています。

 

今日は朝から一日、田の畦刈りでした。

夕方まで刈っても、まだ終わらない・・

それでも、こうして田仕事に汗を流せるのは

平和のお陰です。

 

私の祖父の弟も戦死しており、

仏間には軍服姿の遺影と

国から頂いた賞状が

掲げてあります。

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戦争が無ければ、

結婚して子供を育て、

今頃、私と同じくらいの孫が

居たかもしれない。

 

平成最後の夏を迎え、

来年は元号も変わり、

昭和の時代が更に遠くなります。

たった70数年前に

日本だけでなく、世界中の多くの命が

奪われた戦争を、決して繰り返しては

いけない。

 

外の平和と内なる平和。

我が心は平和であるか、

平和の実現は、我が足元からです。

 

 

 

 

 

 

日帰り富士登山

従弟や甥っ子たちと

人生初の富士登山に行ってきました。

吉田ルートで五合目までバスで登り、

すでに標高2千メートルを超える場所から

登山開始です。

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午前7時半登山開始、

登山者の半数以上が外国の方々でした。

さすがは世界遺産です。

 

登り始めて間もなく

遠くの峰に六角堂が見えました。

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鎌倉時代日蓮聖人が

日本国の安泰を祈って

富士山に法華経の写経を埋経した、

という伝説が残っております。

その伝説に因み

六角堂が建立され、

毎年7月に身延山から僧侶方が

登詣され、世界平和の法要が営まれています。

 

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数年前、インド北部4千メートル級の

高山に行った時は、飛行機で一気に

上がりましたが、さほどの高山病にも

なりませんでした。

 

今回は一歩一歩の登山でもあり、

さすがに息が切れ、酸素濃度の減少で

多少の頭痛に見舞われましたが

周りの景色と多くの登山者の姿に

救われました。

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こんな高山の中で

植物たちは逞しく

健気な美しさを見せてくれます。

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噴火後、すぐに空気と混ざり

軽石のようにゴツゴツした形となった石と

地下に長年堆積して滑らかな岩肌に形成された石。

博識な従弟が解説してくれました。

 

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7時間かけて、山頂に到着。

午後3時時点で気温26度。

3776m、さすが日本一の御山です。

最後は息も絶え絶えに登り着きました。

富士山に鎮守される木花咲耶姫

ご神域への許可を頂いた心持です。

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登山中、下界に富士五湖の一つ、山中湖が見えました。

以前、湖畔のカフェに立ち寄り、一服しながら

見上げた時の雄大な富士山を思い出しました。
それが富士山から見下ろすと、

手のひらほどもない山中湖に、

砂粒より小さく見えない家々が点在する訳です。

その小さな家の中で私たちは日々を暮らし、

ああでもない、こうでもないと喜怒哀楽を

繰り返して百年に満たない一生を終えるのです。

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創生から数えると

10万年を超える富士山の生命から見れば、

なんと短く、はかない生命を

私たちは生きていることか、と感じた次第です。

 

帰りは3時間かけて下山、

バスで駐車場まで移動した時は

午後の8時を過ぎていました。

近くの温泉で汗を流し、夕飯後

従弟たちは4時間かけて茨城へ帰宅し、

私は2時間かけて身延の道場へ戻りました。

ハードな日程でしたが、

天候にも恵まれ、茨城の従弟たちと

久しぶりに楽しい夏休みとなりました。

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7月山梨法話会

毎月最終月曜日、

甲斐市のサロンにて

法話会を開催しています。

今回は毎年大好評の

夏季限定ご祈祷・ほうろく灸祈祷会でした。

 

ほうろく皿の上にお灸をすえて

頭頂にある百会のツボを刺激しながら

祈祷を受けます。

暑気祓い・頭痛解消・安眠・自律神経の安定などに

効能がある伝統のご祈祷です。

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心身がスッキリした、頭痛が治まった、

気分が向上した等、

皆さん効能を実感されています。

ご祈祷の前には、声を出して読経、

太鼓を叩いてお題目の唱和も行いますから、

心身のバランスは自動的に調います。

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終わってからのお茶会。

持ち寄りのお菓子をつまみながら

心なごむひとときです。

心よく場所を提供してくださる

店主さんや、集まってくださる皆さんの

お気持ちが穏やかな雰囲気を作り出しています。

 

ささやかでいい、

気軽に来れて、上下関係なく会話が出来て、

人の温かさと居場所が感じられる場が

あちこちに出来たらいいな、と

いつも思っています。

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夏季限定のほうろく灸祈祷は

過日、お仲間のバイク屋さんでも

開催しました。

双方合わせた参加費全額は

YBS山梨放送本社を通じて

西日本豪雨の被災地へ

本日寄付させて頂きました。

 

茨城県妙法庵でのほうろく灸祈祷会は

8月5日(日)に開催します。

次回の山梨法話会は

8月27日(月)午後1時半より、

お気軽にご参加ください。