お坊さんの独り言

活動詳細はHP「妙法庵」で検索ください

光輝く年明けに

謹賀新年、本年もご閲覧のほど

宜しくお願い致します!

関東地方は快晴に恵まれた

年明けでしたが、皆さま

お正月をいかがお過ごしでしょうか?

 

身延の久遠道場では

午前零時を過ぎるまで

年越し唱題行を勤めました。

元旦はご来光を拝む為に

山梨法話会の有志と共に

市川三郷町の御仏舎利塔へ。

お釈迦様のご遺骨を祀る仏塔にて

新年をお迎えしました。

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早朝より地元の方々をはじめ

大勢の参詣者が集まりました。

今年で45年目を迎えるそうです。

ご住職を導師に

みんなで世界平和を祈る

お題目を唱えながら

ご来光を待ちます。

 

そして、午前7時30分頃、

仏舎利塔正面に聳える富士山から

眩いばかりの初日の出!

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地元有志の方々による

甘酒や御神酒・豚汁の

有難い接待で冷えた体を

暖め、新年を寿ぎました。

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ご来光参拝の後は

皆さんと別れ、

私は日蓮聖人のお墓・

ご廟所へ新年の初参りへ。

その後、久遠道場の御宝前で

新年の読経勤行。

 

そして、午後から気合を入れて

七面山へ登詣しました。

元旦に登詣するのは初めての経験です。

標高約2000m、今回は2時間20分で

上りました。

f:id:myohouan:20180102210233j:plain登山道はまばらでしたが、

幾人かの登詣者とすれ違いました。

ところどころ雪が残っています。

途中の坊では、氷柱が!

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寒中とはいえ、

太鼓を叩き、お題目を唱えながら

登り始めると10分も経たないうちに

汗だくになります。

 

荷物の重さと息切れと

汗に濡れながら、ひたすら

登り続ける中で、内観のような

自分の内面をみつめる意識が出てきます。

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途中の参道で休憩しながら

見つめた下界の風景。

ふと、感謝の気持ちが

湧き上がってきました。

 

これまでの人生で出会った全ての人々、

お世話になった方々、苦しめられた方々、

全ての方々に無条件の感謝が湧き上がり

それによって、今年の目標が決まりました。

 

七面山は、登るたびに

気付きと、これからのテーマを

与えてくださる不思議な霊山です。

 

七面山は本社と奥の院の2箇所に

宿坊がありますが、今回は友人が山務する

奥の院にお世話になりました。

HPはこちらです。

七面山奥之院

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到着早々、疲労と冷えた体を

お風呂で癒しました。

登りきった後のお風呂は格別です。

夕飯は精進、お雑煮が付きました。

御神酒が五臓六腑に染み渡ります。

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ご奉納の返礼品、

お正月祝いで種々拝受致しました。

 

別当さん(奥の院ご住職)が、

「今夜はスーパームーン

 富士山に出ていますよ」

と仰るので境内にてパチリ。

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幻想的な美しい光景でした。

 

夜の勤行では、

江戸時代に祀られたという

七面大明神のご神体をお開帳参拝。

ふくよかに微笑む女神様が

私を含む4名の参籠者を

出迎えて下さいました。

 

勤行後の別当さんによる

ご法話がとても良かったです。

当然のことなのですが、

信仰に篤く、志を持って

活動しているお坊さんのお話は

頭でなく、胸に響きます。

 

「本堂は一晩中、開いてます。

 自由に出入りして

 じっくり七面様と向き合って

 お過ごし下さい。 

 せっかく来られたのだから、

 すぐ寝てしまうのではなく、

 七面様に抱かれて対話を

 なさってください。」

 

 大晦日からの寝不足と疲労で

 早々に横になろうと思っていた私ですが、

 別当さんのお話で喝を入れられました。

 おかげさまで消灯時間後、

 真っ暗の本堂にて七面様と

 向き合い瞑想する、貴重な時間を

 頂戴しました。

 

そして翌朝、二日のご来光です。

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こちらは七面大明神

お姿を現わしたという巨石。

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別当さんと友人のお上人さんと。

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 別当さんの法話にありました

「あなたの心の拠り所はなんですか?

 人ですか?お金ですか?内なる仏ですか?

 自分の拠り所に、しっかり根をおろしなさい。

 そして、私自身が地球であることに目覚めなさい。」

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 本年もエンジン全開で精進いたします。

 皆さまにとっても清福に満ちた一年でありますよう

 御祈念申し上げます。平成30戊戌年  合掌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今年も一年、有難うございました!

ここ数年、お手伝いに来てくださる

Mさんと久遠道場の大掃除を行いました。

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やりだしたらキリがない

大掃除にヘトヘトになっていたので

Mさんのご奉仕のお陰で大変助かりました。

玄関口に手作りの結界と正月飾りを付けて

準備OKです。

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この一年間の学びを

振り返ってみました。

 

「自分の直感を信じ、尊重すること」

 

会う人や行く場所で

最初に感じる好悪は

決して間違っていなかった、

という事でした。

 

正しい直感力を身につけるために

日々、自分を調えておく訓練が

必要ですが、その上での直感で

人や場を選んで交流していくと

自分が穏やかに楽しく向上していける

ことが分かりました。

 

違和感のある人や場所と

無理して交わらなくても良い、

ということです。

この真理を皆さんとシェアさせて

いただきます。

 

今年も一年、ご覧頂き有難うございました。

また直接お会いして、様々なご協力・ご支援を

頂いた方々にも深く感謝します。

来る新年も皆さまにとって

光り輝く一年でありますよう、

ご祈念申し上げ、御礼とさせていただきます。鈴木法拳 合掌

 

 

 

 

 

「つちころび」にてお手伝い

甲州市にて野草講座を

開催している鶴岡さんの

会場兼お店「つちころび」の

環境整備に行ってきました。

月一回で私も学んでいます。

 

目の前に桃畑と富士山が

広がっています。

陽当たりが良くて、

一日中景色を見ていても

飽きないような

隠れ家的場所です。f:id:myohouan:20171228210027j:plain

 

庭木の伐採と植替え等を

お手伝いしました。

大自然の中で汗を流すのは

本当に気持ちがいい。

加えて、ご奉仕でお手伝いすることが

これまた気持ち良いものです。

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鶴岡さんはコーヒー粉を

撒いています。

酸性雨などの影響で

庭土が酸性化しているので

アルカリ性のコーヒー粉で

中和するそうです。

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野草や野菜、その生育環境について

知識だけでなく、試行錯誤しながら

長年にわたり実践しているので

どんな質問にも的確に答えて下さいます。

野草を通して日本の伝統文化を

次世代に継承していきたい、

その想いは鶴岡さんの生き方そのものです。

 

自家製梅酒が

棚に眠っている話題では、

ゴボウを梅酒で煮ると

甘酸っぱくて美味しく仕上がるよ、

と教えて下さいました。

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庭でランチのひととき。

飲んでいるのは自家製のナズナ茶です。

ナズナは、ペンペン草というやつです。

 

陰干し後、焙煎してあるのですが

ダシのお味がして美味しいのです。

コンソメのような味で、

これに塩を入れたら

そのままスープとして頂けそうです。

野草茶は奥が深いですね。

 

日が暮れるまで作業を行い、

充実した一日を過ごさせて

頂きました。

 

 

クリスマス法話会

月例開催の山梨県法話会。

本年最後の会は、クリスマスでした。

宗教の枠を超えているので

仏教法話会の締めくくりは

エス様のお話になりました。

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現代のマリア様といえる

宮城まり子さんの写真を

供えました。

車イスの少年に

微笑みかける表情を

見れば説明はいらないと思います。

 

体の栄養は食べ物ですが、

心の栄養には愛が必要です。

人間の優しさや愛情は

本能だけでは成り立ちません。

自分に愛を取り入れ、

他人に与える訓練をしないと

心は成長しない。

クリスチャンのまり子さんは

愛の体現者といえるでしょう。

 

そして、

エス様の無償の愛、

普遍の愛。

永遠の命を示さんが為、

十字架にかけられ殉教された

そのご生涯。

そのお姿に重ねて

ネパール・ルンビニで殉教された

お坊さんのお話をさせて

頂きました。

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みんなでイエス様のお誕生を祝い

お題目を唱えます。

クリスマスは

「救い主が与えられた」

という意味だそうですが、

この祈りの場にイエス様も

降臨されていた事でしょう。

この一年参加してきた

各々の感想をみんなで

シェアして集いを終了しました。

 

 

 

 

 

 

復興は終わっていない

所用で仙台へ向かいました。

JR常磐線高萩駅から

仙台駅まで直通なのですが、

途中、福島原発の避難区域がある為

富岡駅までしか運行していません。

 

いわき駅まで電車で向かい、

駅前から高速バスに乗り換えて

福島県中通りを走行し

仙台駅へ向かいました。

 

仙台在住の修行仲間と

再会し、せっかくなので

沿岸被災地にて

一緒にご供養をさせて頂きました。

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仙台市荒浜地区、

津波で沢山の方々が亡くなられた場所です。

防潮堤が出来上がり、穏やかな海辺に

降りることができました。

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今回が三度目の訪問となりますが、

震災から7年目を迎えようとする現在も

沿岸部の風景はあまり変わっていません。

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冷たい浜風が頬に吹きつけます。

かさ上げ道路工事のダンプカーが

ひっきりなしに往来していますが、

遅々とした進捗状況に見受けられます。

現場に行くと、復興はまだまだ

終わっていないことを実感します。

 

オリンピックにかけるお金を

復興に当てれば、

どれだけの人が助かるかと

つい思ってしまいます。

 

仙台行きの前に

知人の葬儀社さんから

一冊の本を頂戴しました。

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著者の笹原さんは、

私と同世代の納棺師。

震災直後からボランティアで

被災地に入り、沢山のご遺体の

復元をなさってきた女性です。

拝読していて、涙が込み上げ

改めて震災の傷跡が心に染入りました。

 

慰霊後に、友人宅へお参りに。

私と同じ在家出身の彼が

立ち上げたお寺です。

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玄関前には日本山のお寺より

移設した立派な玄題宝塔が

涌現しておりました。

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彼とは国内外も含め一緒に行脚したり

お断食のご修行をしたりと、

様々な苦楽を共にしてきました。

生きた人々へ仏様の教えを伝えるために

彼のお寺では、アットホームな活動を

展開しています。

旧交を温め、有り難いひとときを過ごしました。

 

再び、夕方の高速バスで

仙台駅からいわき駅まで3時間、

常磐線に乗り換えて高萩駅まで50分。

いわき駅から乗車する帰宅の

高校生たち、彼らも辛い震災を

乗り切ってきた生き証人です。

 

夜の寒気で冷えた体を

電車に揺られながら

参考書を開く

彼ら彼女たち。

 

これからの人生に

幸多からんことを!

祈るような想いで

高校生たちを見つめました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホーリーマザー・サーラダ―ディヴィー生誕祭

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「近代インドの聖者・シュリ・ラーマクリシュナの妻。

 ラーマクリシュナ存命中は献身的に支え、

 ラーマクリシュナ逝去後は

 家庭や世俗の義務を果たしながらも、

 多くの人々の精神的・霊的な母として

 奉仕の実践を通して

 神の人生を送る。

 故にホーリー・マザーの異名をもつ」

 

逗子市にある日本ベーダンタ協会にて

祭典が行われ参詣しました。

ベーダンタ協会のHPはこちらです

https://www.vedantajp.com/

 

午前の部は協会の住職であられる

マハラジによって法要が営まれ、

午後の部はマザーの教えを

解りやすく解説して下さいました。

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マザーの教えは

ご自身の実践に

基づいたものですから

宗教の枠を超えた普遍性があります。

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「他人の中に欠点を見ると、

 まず自分の心が汚れるのです。

 他人の欠点を見出して

 なんの得るところがありますか。

 自分自身を傷つけるだけです。

 世界中を自分のものとしなさい。

 誰一人として、他人はいないのです。」

 

「人は仕事をしなくてはいけません。

 仕事は心を堕落から救います。

 同時に神への祈りと瞑想も必要です。」

 

 

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信者の方々による

賛歌もありました。

信仰の情熱が歌にも

現れます。

 

マハラジの法話にこうありました。

「豪勢な寺院の中で

 拝んでいても、

 心が散漫で、堕落した想いを

 抱いているのならば、そこは地獄である。

 

 たとえ、世間から忌み嫌われるような

 場所で拝んでいても、

 純粋な心で神を求め、真理を熱望するなら

 そこは浄土である。」

 

 私がベーダンタ協会に

 参詣する理由がここにあります。

 宗派は違えども、協会には

 純粋に道を求め、サンガとしての

 規律ある信仰様式があるからです。

 本物は美しい。その一点につきます。

 

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 信者さん手作りの

 美味しいインド料理が

 断食明けで栄養不足の肉体に

 ありがたい滋養となりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

毎日の祈り

身延の久遠道場滞在中は、

御廟所まで太鼓を叩いて

お参りするのが早朝の日課です。

 

道場に戻る頃、陽が上り始め

朝焼けのグラデーションが

拝める日もあります。

 

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朝参りでは御廟の他にも

祈りを捧げたい場所の

方角に向かって太鼓を叩きながら

お題目を唱えています。

 

現在困難な状況に置かれている方々に

祈りを捧げます。

 

「祈りが何の力になるんだ!?」

 

さだまさし作曲『祈り』の歌詞に

あるように、私は祈る以外には

何の知恵も力もないのです。

だからこそ、祈れるのかもしれない。

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地味な暮らしの毎日だけど、

唯一、祈りが生活を彩ってくれる。

祈りを生活の中心に置いていると

ふと、そんなことを感じる瞬間があります。