お坊さんの独り言

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三回忌をお勤めして

たまに法事の依頼があり、

初対面の御霊に対して

供養のお経を唱える機会があります。

 

本日伺ったご法事は

48歳で亡くなった女性の三回忌。

ご主人と小学4年生の娘さんが

施主でした。

 

「こんにちは!」と、

はにかみながら挨拶してくれました。

父親の側に寄り添いながら

母親の供養を

じっと見つめておりました。

 

一番甘えたい年頃に、

母親不在の境遇は

本人にしか分からない

現実でしょう。

三回忌と併せて

納骨も行いましたが、

気持ちを納めるために

それだけの期間が

必要だったのかもしれません。

 

勉強が出来るよりも

人の辛さ悲しさが

分かる事の方が

人間として宝物です、

と法話の中で話しました。

彼女に届く言葉だったか

心許ないですが、

今日の出来事すべては

娘さんにとって生涯心に残る

一日だったことでしょう。

 

すべては一期一会、

娘さんと笑顔で握手をして

お別れしました。

抜けるような青空の下、

彼女の幸多からんことを

切に祈るばかりでした。

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