お坊さんの独り言

活動詳細はHP「妙法庵」で検索ください

第2回千葉県法話会

千葉県でも発起人の方が

企画から告知、下準備をして下さり

2回目の開催が実現しました。

法話会は皆さんの要望と志があって

実現できること、本当に有難いです。

 

市原市の会場には前回参加の方々、

初参加の方々がお集り下さり、

リクエストに応える形でお話を

しました。

ちょうどお彼岸の入り日なので

六波羅蜜」の説明と

善行のススメをお伝えしました。

 

法話の後はみんなで読経、

そして質疑応答。

お墓の悩みは

誰もが直面する切実な問題ですね。

法話会終了後は

会場を移動して昼食をとりながら

ざっくばらんなお話合いとなりました。

 

普段、なかなか触れる機会がない

仏教に生きる智慧を親しみを感じて

頂けたら本望です。

房総半島に吹き渡る

温かい春風のように、

皆さんの笑顔と誠実な姿勢が

伝わってきた法話会でした。

 

ご参加の皆さん、そして

企画してくださった発起人の方々に

御礼申し上げます。

東日本大震災第14回忌・慰霊行脚

今年も高萩市日弁聖人の墓所より

福島県いわき市まで国道6号沿いを

行脚しました。

昨年から伴走車がついてくれるので

撮影もお願いしました。

 

北茨城市の途上、

津波到来の近くには

童謡「赤い靴」などの詩人・野口雨情の生家が

あります。

 

日本橋から仙台まで続く6号線、

此の辺りでは陸前浜街道とも呼ばれています。

その名の通り、広大な太平洋が広がります。

 

北茨城市・大津漁港にて。

甚大な被害を受けましたが、

港は復旧しました。

途上、地域の神社や祠で

お経を上げさせて頂きます。

朽ち果てた場所なら

猶更、お題目を響かせます。

毎年立ち寄る地蔵堂では

卒塔婆を供えていくのですが、

地元の方がこうして壁に張り付けて

くれます。

昨年の卒塔婆が張ってありました。

 

勿来駅まで約7時間行脚、

そこから車移動で四ツ倉の波立海岸に

向かいます。

今年は例年になく荒い波で

恐怖を感じました。

youtu.be

歩くからこそ

見えること、

感じること、

出会う人との対話があります。

思うことは多々ありますが、

それは又別の機会に。

 

稲作準備あれこれ

肌寒い初春に天高く実る庭のキンカン

硬い皮ごと頬張ると甘さが口いっぱいに

広がります。

この時期になると

摘まんで食べるのが

子供の頃からの楽しみです。

 

フキノトウも畑のあちこちに
出てきました。

刻んで味噌汁に入れたら

一気に春が到来しました。

 

春に向けて徐々に稲作の準備が

始まりました。

農業は命の根源を体得する、

大切な仏道修行です。

 

この土塊、何か分かりますか?

牛糞です。

肥料に最適なのですが、

生のまま撒くと強いので

何年も寝かせて発酵させるのです。

臭くなく、土のように軽い上質な

肥料となります。


一輪車11台分、田んぼに運んでは

まき散らす地道な作業、

寒風の中でも汗が噴き出ました。

この時期は

用水路の整備も欠かせない作業です。

水漏れしやすい配管を繋ぎ直しました。

「おれたちはみな農民である

 ずゐぶん忙がしく仕事もつらい」

          宮沢賢治『農民芸術概論綱要』

 

賢治さん達の時代に比べれば

今の農業は天地の差ほど楽になったけれど

それでも手間暇、時間と労力がかかるものです。

 

レンゲソウも緑が

濃くなってきました。

春には可憐な花を

一面に咲かせることでしょう。

冬は必ず春となります。

 

 

 

第2回千葉県法話会

有志の方が発起人となり、

千葉県でも法話会が実現しました。

第2回はお彼岸の入り日に開催です。

3月17日(日)午前9時より

千葉県市原市にて法話とお経の会を

開催します。

事前予約制ですので、

先ずは私宛てに御一報ください。

人数把握の為、10日で締め切ります。

その後に申し込みの場合も

事前予約をお願い致します。

穏やかで明るい集いですので

お気軽にご参加ください。

代受苦

仏様や菩薩様が、

衆生の苦しみを

代わりに受けることを

代受苦(だいじゅく)といいます。

お地蔵様はその代表だそうです。

 

どうして、私ではなくて

あなたがこのような苦しみを

受けねばならないのか?

 

このような状況を見聞きする、

このような場面に直面する、

誰しもが経験ある事と思います。

 

苦悶にあえぐ方々を知った時、

被災地や紛争地のニュースを

暖かい部屋で観ている時、

その時、どのような感情が

湧き上がるでしょうか?

 

どうしてこの私ではなくてあなたが?  
   どうしてこの私ではなくてあなたが?
  

 あなたは代わってくださったのだ。」

長島愛生園の精神科医・神谷恵美子先生の

言葉が響きます。

 

「弱い人、苦しい人、辛い人を見たときに、

 私たちがこのように、あなたは代わってくださったのだ

 という思いを持つことができますならば、

 それこそが本当の愛だと思います。

 私があなたのために

 何かをしてあげるというのではなくて、

 私たちのために代わってくださった、

 その人に対する謙遜な思い。

 そして、神様がいろいろなものを通して、

 本当に人々を愛してくださっている

 ということを知るならば幸いです。」『なくてならぬもの』(講演集)

 

 「あー、私でなくて良かった。」

 「こちらは関係ないので無事です。」

 ではなくて、

 苦境に居られる方の姿は

 明日の私かもしれない。

 その視点があるか、どうかが

 人として、とても大切だと思います。

  

 今、何もしてあげられないけど

 代受苦の認識だけは忘れずにいたい。

 そう思う日々です。

 

 

 

お題目は魂のお薬

ここ数日、妙法庵へ

相談に来られる方が続きました。

将来に悲観してしまった人、

ご家族の病に奔走する人、

信仰について学びたい人、

皆さん、胸の内を吐露していきます。

ただお聞きするだけでなく、

私も自分が感じた事、これまでの事例など

挙げながら対話をします。

 

妙法庵では信仰の有無に関わらず

必ず御宝前にお参りして頂きます。

声に出して、一緒にお題目を3回唱えてもらいます。

特に信心もなく、お題目なんて唱えた事がない人は

これが結構、新鮮な衝撃のようです。

長時間お話した事よりも

お題目を唱えた事の方が

心のモヤモヤを吹き飛ばす力があるようです。

表情がスッキリ晴れて

帰る人もいます。

お経は言霊、

お題目を魂のお薬として

持ち帰って頂ければ

何よりの事です。

 

 

真心の供養

49日忌に当たる当日、妙法庵にて

お経を上げて欲しいと他県から

ご夫妻がお越しになりました。

 

亡くなったのは叔母様、

ご夫妻は甥っ子に当たります。

喪主は別な親族なのですが

葬儀は行なわず、

火葬場で荼毘に付しただけなので

心残りがあったようです。

 

叔母様の好きだったお寿司や

サンドイッチを持参して供え、

一緒にお経を上げ

供養を行いました。

独身だった叔母様の為に

生前も色々とお世話をされ、

交流を続けていたそうです。

『葬儀をしてもらえなかった

叔母の無念も晴れたと思います。

有難うございました』

と、ご夫妻は安堵の表情を

浮かべ帰られました。

 

葬儀や法事を不要とする

ご家庭には、それぞれの考えや

事情があります。

やらない理由も色々お聞きしますが、

言い訳?が見え隠れする

ケースも案外多いものです。

 

貴重な休日を、遠路他県から

お金と労力を使って

親でもない叔母様の供養の為に

お越し下さった甥っ子さんご夫妻。

頭が下がる想いと共に

供養について考える

出来事でもありました。