お坊さんの独り言

活動詳細はHP「妙法庵」で検索ください

大豆の花

29,30日の1泊2日修行会、

仙台から参加申込があったのですが

数日前にご家庭の事情でキャンセルとなり、

開催中止となりました。

今日の悪天候を見るにつけ、

天はベストなタイミングで

取り計らってくださいます・・・

 

お彼岸が終わり、

地方の田んぼでは

稲刈りも終盤にさしかかっています

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我が実家では、

減反と人手不足のため

今年は米を作らず、

人手に貸して田に大豆を植えています

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田んぼに大豆とは、

なんとも勿体無い光景ですが

これも農家の現実です

米を作らずとも畦の草は

猛烈に生い茂るわけで

今回も2日間に亙って

草刈りに汗を流しました

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大豆の花です

目にすることは少ないと思いますが

こんなに可憐な花を咲かせるのですね

 

私が子供の頃、

稲刈りの時期にはイナゴや赤とんぼが

乱舞して飛び交っていました

今は農薬や生態系の変化からか、

昆虫の数がめっきり少なくなりました

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それでも草刈りを終えた夕方には

赤とんぼの群生が

田の上を舞っています

わずかな寿命を完全燃焼しているように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妙法庵・秋季彼岸会

皆さんが持ち寄ったご先祖のお位牌を供え、

共にお太鼓を叩きながらお題目を唱えて

お彼岸のご供養を行いました。

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ご近所の高齢女性は、

今日のディサービスを早退して

法要に来たそうです。

施設の方に早退の理由を尋ねられ、

訳を話すと、周りで聞いていた利用者さん数人が

「私たちもそっちに行きたい!」と言い出して

職員の方にたしなめられたとか。

利用者さん達のお気持ちが

分かる気がしました。

 

以前、ヘルパー資格取得のために

実習でグループホームなどの施設に

伺った時、これは本来お寺でも出来ることでは?

と感じたことがありました。

 

もちろん、身体介助などスタッフや設備が

整わないと出来ないことは多々あります。

 

それでも日常生活がなんとか送れる

高齢者が集い、みんなでお経を読んだり、

瞑想をしたり、お坊さんの法話を聴いたり、

皆さんとお茶菓子を食べながら

四方山話をするだけで、どれだけ心が安らぎ

身体にも良い影響を与えることだろうか、と

よく思うのです。

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希望者が来れないなら、

施設にこちらから出向いて行き、

お経や法話会を開くことを検討したり、

積極的に働きかけた時期もありました。

 

けれど、宗教に対する偏見もあり

一部の方々の抵抗感や嫌悪感にも配慮して、

要望がない限り、開催しない方針に決めました。

もし、こちらから出向くことを希望する方々が

いれば、喜んでお伺いしますのでお声かけ下さい。

 

今日の法要後の法話は、

お題目の信仰者でもあった

故・樹木希林さんのインタビュー記事を

お伝えしました。

参列者の中には涙を拭う方もいらしたので

引用とはいえ、お伝えできて良かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

9月29,30日体験修行会募集

身延町・久遠道場での
体験修行会を開催します。
現在、女性1名申込中です
参加ご希望の方は、26日までに
ご連絡ください。
 
以前、参加された方の体験レポートが
とても参考になりますので、ご覧ください。
 

一期一会

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懐かしい人と会う為に

九州へ行ってきました。

行きますね、と言いながら

歳月ばかりが過ぎていき、

今回3年ぶりの再会が実現しました。

 

2日間、素敵な地元をご案内いただき

旧交を温めた嬉しい時間は

あっという間に過ぎていきました。

帰りの駅へ送っていただく車中では

お互いに口数も少なくなり、

こみ上げる寂しさに胸をつまらせながら

再び会う日まで、手を振り合いました。

一期一会・・・

 

人はいつ、どうなるか分からない。

だからこそ、会いたい人には

そのうちに・・・なんて思わず

会っておきたいし、

行きたい所があれば

時間を作ってでも行っておきたい。

明日、死んでも悔いのない今日一日を

過ごしたい。

心底、実感している昨今です。

 

 

 

喰初寺

妙法庵から車で3時間、

栃木県那須町に喰初寺(くいそめじ)という

変わった名前の日蓮宗寺院があります。

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由来説明は端折るので(笑)、

興味のある方は、ネットで検索してみてください。

大雑把にいうと

拒食症のお姫様が、このお寺のご利益で

健康を回復したところから名づけられたそうな。

 

そして、境内にはこんな石碑もありました。

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日蓮聖人が湯治に来られた地でもあります。

那須温泉郷の傍であり、付近には硫黄臭が漂っています。

日蓮聖人は茨城県常陸の湯へ湯治に向かう途上

ご入滅されますが、「常陸の湯」とは茨城県ではなく

この栃木県那須町という説もあるのです。

真実は日蓮聖人のみ知る、といったところでしょうか?

 

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お寺の付近にある名勝・殺生石

硫黄臭が立ち込め、さながら恐山や大涌谷のような

異界の光景でした。

 

 

 

木喰上人という生き方

身延町・なかとみ現代工芸美術館にて

「木喰展」が開催中です。

61歳から仏像を彫り始め、

93歳で入寂するまで千体の造像を

彫り残した木喰上人。

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飛騨の円空上人と共に

木彫りの聖として有名なお坊さんです。

 

身延町出身で、今年生誕300年を迎えました。

45歳の時、常陸国(茨城県)で

木食上人から木食戒を受け、木喰行道と名乗り

粗食の身で全国を遊行し、仏像を彫り続けたそうです。

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今回は全国各地の木喰彫像が

一堂に集まった貴重な展示会です。

頬肉が盛り上がった微笑みは

観ているだけで、ほっこり和みます。

 

作品が素晴らしいのは勿論のこと、

上人自身がどのような人間であったのか、

そちらの方にも興味を持ちました。

 

故郷を去り、出家してみて

味わった僧侶としての生き方、

孤独な旅を続ける中で、

人々から受けた施しや誹謗、

故郷の人に請われ四国堂を建立するも

離反者が続出し、84歳にして再び旅に

出た時の心境・・・

 

「まるまると

 まるめまるめよ わが心

 まん丸丸く 丸くまん丸」

 

木喰上人のこの言葉は、

小泉元首相がメルマガで引用したことでも

有名だとか。

 

私は、人間そのものに興味があります。

お会いする人のお仕事や業績も

確かに興味の一部分ではありますが、

それよりも生き様、何を大切に生きているかに

心が惹かれます。

その生き様は、その人の瞳に現れています。

耳にも現れています。

そして顔全体に表現されてくるようです。

 

「目には気迫、顔には生活、言葉には

 教養が現れる」写真家・土門拳の言葉です。

 

木喰上人展、簡単なクイズに答えると

素敵なクリアファイルのプレゼントもあります。

ぜひ、ご観覧ください。

 

 

 

 

 

合掌造り・白川郷探訪

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 平成7年、世界遺産に登録された

岐阜県白川郷萩町集落。

夏の終わりに

初めて訪れました。

 

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昭和30年代、ダム建設で多くの集落が水没し、
合掌造り民家も転売や焼却されて、

大正13年には300棟あったのが

昭和36年には191棟に激減したそうです。

 

昭和46年、萩町区民の総意で合掌造りを
「売らない・貸さない・壊さない」の3原則

を掲げて、今日まで集落は守られてきたそうです。

 

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白川郷付近で食べた

山の芋・自然薯御膳。

出し汁でのばした自然薯と麦飯、

何杯でもいける美味しさでした。

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民宿や土産物屋、カフェとして

営業するだけでなく、

世界遺産の現在も

実際に村民が生活している集落です。

 

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 屋根の葺き替え作業は

村民総出の「結(ゆい)」によって行われ、

200人ほどの村人によって葺き替えられます。

パンフレットに、こう記されていました。

「結(ゆい)は合掌造りを維持する

 大切な人々のつながりなのです。」

 

日本は広い、まだまだ未知の風景が

全国各所にあります。

多くの観光客で賑わっていましたが

また訪れてみたい、日本の原風景でした。