お坊さんの独り言

活動詳細はHP「妙法庵」で検索ください

一期一会

f:id:myohouan:20180912090614j:plain

懐かしい人と会う為に

九州へ行ってきました。

行きますね、と言いながら

歳月ばかりが過ぎていき、

今回3年ぶりの再会が実現しました。

 

2日間、素敵な地元をご案内いただき

旧交を温めた嬉しい時間は

あっという間に過ぎていきました。

帰りの駅へ送っていただく車中では

お互いに口数も少なくなり、

こみ上げる寂しさに胸をつまらせながら

再び会う日まで、手を振り合いました。

一期一会・・・

 

人はいつ、どうなるか分からない。

だからこそ、会いたい人には

そのうちに・・・なんて思わず

会っておきたいし、

行きたい所があれば

時間を作ってでも行っておきたい。

明日、死んでも悔いのない今日一日を

過ごしたい。

心底、実感している昨今です。

 

 

 

喰初寺

妙法庵から車で3時間、

栃木県那須町に喰初寺(くいそめじ)という

変わった名前の日蓮宗寺院があります。

f:id:myohouan:20180905211444j:plain

由来説明は端折るので(笑)、

興味のある方は、ネットで検索してみてください。

大雑把にいうと

拒食症のお姫様が、このお寺のご利益で

健康を回復したところから名づけられたそうな。

 

そして、境内にはこんな石碑もありました。

f:id:myohouan:20180905211902j:plain

日蓮聖人が湯治に来られた地でもあります。

那須温泉郷の傍であり、付近には硫黄臭が漂っています。

日蓮聖人は茨城県常陸の湯へ湯治に向かう途上

ご入滅されますが、「常陸の湯」とは茨城県ではなく

この栃木県那須町という説もあるのです。

真実は日蓮聖人のみ知る、といったところでしょうか?

 

f:id:myohouan:20180905213024j:plain

お寺の付近にある名勝・殺生石

硫黄臭が立ち込め、さながら恐山や大涌谷のような

異界の光景でした。

 

 

 

木喰上人という生き方

身延町・なかとみ現代工芸美術館にて

「木喰展」が開催中です。

61歳から仏像を彫り始め、

93歳で入寂するまで千体の造像を

彫り残した木喰上人。

f:id:myohouan:20180830114342j:plain

飛騨の円空上人と共に

木彫りの聖として有名なお坊さんです。

 

身延町出身で、今年生誕300年を迎えました。

45歳の時、常陸国(茨城県)で

木食上人から木食戒を受け、木喰行道と名乗り

粗食の身で全国を遊行し、仏像を彫り続けたそうです。

f:id:myohouan:20180830115128j:plain

今回は全国各地の木喰彫像が

一堂に集まった貴重な展示会です。

頬肉が盛り上がった微笑みは

観ているだけで、ほっこり和みます。

 

作品が素晴らしいのは勿論のこと、

上人自身がどのような人間であったのか、

そちらの方にも興味を持ちました。

 

故郷を去り、出家してみて

味わった僧侶としての生き方、

孤独な旅を続ける中で、

人々から受けた施しや誹謗、

故郷の人に請われ四国堂を建立するも

離反者が続出し、84歳にして再び旅に

出た時の心境・・・

 

「まるまると

 まるめまるめよ わが心

 まん丸丸く 丸くまん丸」

 

木喰上人のこの言葉は、

小泉元首相がメルマガで引用したことでも

有名だとか。

 

私は、人間そのものに興味があります。

お会いする人のお仕事や業績も

確かに興味の一部分ではありますが、

それよりも生き様、何を大切に生きているかに

心が惹かれます。

その生き様は、その人の瞳に現れています。

耳にも現れています。

そして顔全体に表現されてくるようです。

 

「目には気迫、顔には生活、言葉には

 教養が現れる」写真家・土門拳の言葉です。

 

木喰上人展、簡単なクイズに答えると

素敵なクリアファイルのプレゼントもあります。

ぜひ、ご観覧ください。

 

 

 

 

 

合掌造り・白川郷探訪

f:id:myohouan:20180826184007j:plain

 平成7年、世界遺産に登録された

岐阜県白川郷萩町集落。

夏の終わりに

初めて訪れました。

 

f:id:myohouan:20180826183855j:plain

昭和30年代、ダム建設で多くの集落が水没し、
合掌造り民家も転売や焼却されて、

大正13年には300棟あったのが

昭和36年には191棟に激減したそうです。

 

昭和46年、萩町区民の総意で合掌造りを
「売らない・貸さない・壊さない」の3原則

を掲げて、今日まで集落は守られてきたそうです。

 

f:id:myohouan:20180826184856j:plain

白川郷付近で食べた

山の芋・自然薯御膳。

出し汁でのばした自然薯と麦飯、

何杯でもいける美味しさでした。

 f:id:myohouan:20180826184026j:plain

民宿や土産物屋、カフェとして

営業するだけでなく、

世界遺産の現在も

実際に村民が生活している集落です。

 

f:id:myohouan:20180826183925j:plain

 屋根の葺き替え作業は

村民総出の「結(ゆい)」によって行われ、

200人ほどの村人によって葺き替えられます。

パンフレットに、こう記されていました。

「結(ゆい)は合掌造りを維持する

 大切な人々のつながりなのです。」

 

日本は広い、まだまだ未知の風景が

全国各所にあります。

多くの観光客で賑わっていましたが

また訪れてみたい、日本の原風景でした。

 

 

 

朝倉さや『ソーラン節』

金足農の健闘で

 

熱く沸いた東北。

勢いに乗っかり、

山形県発、民謡日本一のボーカリスト

朝倉さやさんの紹介です。

様々な民謡をアレンジして歌い上げる

圧巻の歌姫、

『ソーラン節』もカッコよく変化しました!

新しい世代の活躍は

新鮮な刺激を受けますね。

 

 

 

虹の甲子園

f:id:myohouan:20180821205203j:plain


第100回大会決勝戦

高校野球に関心が薄い私ですが、

今回の決勝戦だけは

テレビにかじりついて

観戦しました。

いやー、両校とも素晴らしかった!

選手を見ながら、もらい泣きしました。

平成最後の甲子園、

記録的な猛暑の中、

おそらく歴史に残る

好大会だったのではないでしょうか?

 

上記の写真にある通り、

閉会式には虹がかかったそうです。

天の祝福でしょうか!

お経の「諸仏歓喜」という言葉を

思い出しました。

 

勇猛邁進した選手たちに

日本国中から感動の拍手が

送られた夏の甲子園でした。

 

 

 

 

 

8月お断食修行会

山梨県内から参加された女性と
2日間ご修行を勤めました。
初日のお昼ご飯後は、翌日のお昼まで
食べることを止め、水分補給のみで過ごします。
唱題修行や瞑想、写経やヨガ、オイルマッサージで
心身を浄化し、充実した2日間を過ごしました。

f:id:myohouan:20180820194203j:plain

 
今回参加された方も修行を通じて
真摯にご自身と向きあっておりました。
 
修行と云うと大そうなイメージを感じますが、
この修行会は、自然のリズムに沿って
自己本来の生命力を活性化することに
主眼を置きます。

f:id:myohouan:20180820194348j:plain

 
修行という非日常を体験する中で
ご自身が握りしめて離すことが出来ない
「苦しみ」「悲しみ」を
手放して浄化していく、
その作業をこの身延山という聖地で
行っているようにお見受けします。
 
ひたむきに取り組む
誠実なお姿と、来し方のお話を伺うことで
私自身も浄められるような感動を
毎回感じているのです。

f:id:myohouan:20180820194541j:plain

 
感想を寄せていただきました。
*************************
 
初めての断食会参加だったため、
緊張と若干の不安の中、道場に到着しましたが、
笑顔でのお出迎え、要所要所での懇切丁寧な説明、
休憩を挟みながら無理なくできるペースでの
進行のおかげで、安心することができ
修行内容に集中して取り組めたと思います。
 
一番心に残った修行は、1時間の唱題修行です。
外でお題目を唱えることに対して、
恥ずかしさから抵抗があったのですが、
多くの参拝者が私達に手を合わせて
お辞儀してくださる姿に心が温かくなり、
お題目終了後には
自然と心が解放されているのを感じました。
 
他にも清々しい空気の中での荘厳な朝勤、
瞑想後の心地よさ、アーユルヴェーダでの体質診断、
以前の参加者さんがおっしゃっている通り
美味しいお食事(お味噌汁は両日ともおかわりしました!)、
そして、鈴木さんからの温かいお言葉...
限られた時間の中で
充実した時を過ごさせて頂きました。
 
これからは、今回学んだことを
日常生活に取り入れて、心身ともに
健康でいられるように心がけたいと思います。
 
最後に、今回の体験修行が
愛犬の供養になるように進めてくださったこと、
心より感謝申し上げます。