お坊さんの独り言

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大雪の朝に

今回の大雪、

都心や関東各地に比べ

身延山は予想外の積雪でした。

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大雪に加えて

草津では噴火、

被災された方々を思うと

胸が痛みます。

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ご草庵跡に聳える

樹齢300年は

ゆうに超える杉の大木です。

朝参りの際に、

両手を幹に当てて

静かに目を閉じながら

杉の生命を感じています。

 

人間の寿命を超える

悠久の生命を生き抜いてきた

杉の巨木。

何も語らずに

悲喜こもごもの歴史を

黙って見続けてきた

その存在に毎朝、脱帽しています。

 

 

 

 

 

山梨・祈祷法話会

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月に一度の法話会。

皆さんとお会いするのが

楽しみな集いです。

 

今月もみんなで太鼓をバンバン叩いて

お題目をお唱えしました。

回を重ねるごとに

お題目の発声が

力強くなっていきます。

 

信仰の有無に関わらず

唱える方々の魂に

お題目が染み込んでいったら

いいな、と常に目論んでいます。

 

新年最初の法話会は

恒例の初祈祷会。

皆さんに御守りや木札を

授与しています。

 

お題目に護られ、

お題目を生きていることを

忘れないために

御守りや木札を身につけて下さい、

そう説明しています。

 

初雪に遮られることなく

無事に今年の初祈祷も終了しました。

 

寒水と野草

毎年の大寒には、

水のきれいな場所で

寒水を頂いてます。

今年は北杜市の大滝湧水へ

清水を汲みに行きました。

 

あふれるほど豊富な水量が

大滝神社の境内から湧いています。

真っ暗な早朝、神前にて

ご挨拶の読経を行ってから、

決まった時刻に

法華経のある要文を

繰り返し唱えながら

清水を汲みました。

 

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惚れ惚れするほど

キラキラな聖水です。

寒水は純度が高く、

紅を溶かして御守りの

護符を書いたりします。

有り難く頂戴した寒水は

ご宝前に供え、十分お経をあげてから

ご縁の方々に差し上げています。

 

大寒の前日は、

摘み草のお店「つちころび」さんにて、

野草のお手伝い。

 

春の七草の一つ、

ナズナ(ペンペン草)のお茶。

カルシウムや鉄分が多く、解毒作用や

むくみに効果があります。

アブラナ科なので、

切り干し大根のような

風味があり、美味しいですよ。

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陰干しの後に焙煎します。

焙煎すると、ナズナの種が

膨らんで味も美味しくなるそう。

茶葉の緑色を保つにもコツがあるようです。

 

全てが手作業、

手間暇かけて丁寧に

摘み草の命が

最大限生きているお茶です。

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草花のことを学ぶと

地面を見る目が変わります。

寒中にも、着実に春の芽生えがあり

草花の逞しさと、生命の神秘を感じます。

大地は生きた経典ですね。

 

よくよくのごじゃっぺ

茨城県稲敷市を移動中に

通りがかった古刹のお寺。

雰囲気があったのでお参りさせて

頂きました。

 

天台宗逢善寺

善い出逢いのお寺!

名前にも魅かれました

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開創1200年!

天皇勅願寺

関東八檀林(学問所)の一つだそうです。

千手観音がご本尊で、

観音堂としては県内最大の

大きさで、彫り物も

目を見張るほど見事でした。

 

凍えるような本堂の中では

信徒のお婆ちゃん達が

鏡割りの供え餅を詰めていました。

毎月17日が観音講

先ほど護摩法要が終ったばかりとか。

 

共に作業をしている

ジャンパー姿の若い女性に

ご挨拶したら、

尼僧さんで、このお寺の

ご住職さんでした。

 

ご住職とお婆ちゃんたちとの

会話を耳にしながら、

心が和む想いがしました。

お寺の行事を通して、

地域の安全弁が働いているのです。

 

そして私が心惹かれたのは

信徒さん達が話すバリバリの茨城弁!

思わず顔がゆるみます。

 

タイトルの「ごじゃっぺ」

意味が分かる人は相当の茨城通です。

いい加減、馬鹿者、という意味です。

関西弁の「アホちゃうか」に似た、

愛嬌を含んだ否定語です。

よくよくのごじゃっぺ、は

とんでもないデタラメ、無責任、といったところです。

 

疲れることを

「こわい」といいます。

うちの祖父母も農作業の後、

「あー、こわい、こわい」

と言ってました。

 

だらしないことを「でれすけ」

満腹のことを「はらくっちい」

英語は話せなくても

方言は胸を張って話せる

バイリンガルです。

 

日本の底力というのは

こういう地域に根ざした

あらゆる文化に

支えられているのだと

つくづく思います。

 

帰り際、住職さんから

鏡餅のお下がりを頂戴して

帰路に着きました。

 

 

 

本栖湖富士のご来光

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ふだん何気なく使っている千円札の裏には、

身延町本栖湖から見た富士山が描かれています。

 

今朝、本栖湖からご来光を拝みました。

1月13日午前7時半ご来光、氷点下4度。

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湖面から蒸気霧が

たちこめていました。

 

温かい水面の上に

冷たい空気が流れ込んで

発生する現象です。

ホットコーヒーの上に

できる湯気と同じメカニズムですね。

 

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ご来光が上がる寸前の

輝きは神秘的な美しさです。

 

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他県ナンバーのカメラマンが

沢山来ていました。

凛とした寒気の中、

誰一人、言葉を発すること無く

シャッターチャンスを狙っています。

 

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インドなど諸外国でも

ご来光を拝んできましたが

空気の澄んでいる日本は

繊細な光の輝きがあって

私はとても好きです。

今朝の輝きを

皆さんとシェアします。

 

 

 

 
 

目からウロコの七草講座

春の七草を明日に控え、

七草にまつわる野草講座と、

春の七草を使ったお楽しみパンを

味わってきました。

 

こちらは会場に並べられた

講師の鶴岡さんお手製による野草茶。

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七草の一つ、薺(ナズナ)茶を飲みました。

江戸時代にはナズナ売りが行商していたほど、

ポピュラーな野草だったとか。

カルシウムや鉄分が多いので

体力が落ちた時に

スープとして頂くと

元気が出るそうです。

何より利尿作用が強く、

トイレに遠い私でも

すぐに催してしまうほどです!

 

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蘿蔔(スズシロ)は、大根の古名。

大根葉をお風呂に入れると、

ポカポカ温まるそうですよ~

 

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繁縷(ハコベ)パン。

今回の講座は

南アルプス市にある

ルーブル」というパン屋さんとの

共催だったので、

七草や野草を入れた

様々なパンを焼いて下さいました。

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干し柿タンポポ葉を

乗せたパン。

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シギシとベーコンのパン。

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カラスノエンドウのフォカッチャ、

どれも絶品です!

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古来より日本には「若菜摘み」という風習があったそうです。

その風習が変化して室町時代頃に

七草粥が食べられるようになったとか。

 

江戸時代になると、

幕府によって五節句の一つ「人日の節句」が

定められます。

これは人を大切にする日だそうで、

それが1月7日、無病息災を祈って

七草粥を食べる風習が民衆に定着したそうです。

 

その7種類も

現在の七草とは違って、

もっと滋養に沿った種類を

煮込んでいたそうです。

 

「自ら野に出て、

 七草を摘み

 お粥をこしらえて

 頂く工程が大切です」

という言葉に納得でした。

 

目からウロコの七草講座、

新鮮な学び初めの一日でした。