お坊さんの独り言

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JR塩山駅前の甘草屋敷

JR中央線塩山駅前に

「甘草屋敷」なる豪邸が一般公開されています。

甘草で富を得た豪農の屋敷で、

文化財指定を受けています。

入館料300円で甘草茶のお接待つき、

屋敷の説明もして下さいます。

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前日に干し柿作りの

ボランティアさん達が

吊るしてくださったそうで、

風情のある屋敷となりました。

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よくご覧下さい。

柿の上の部分が均一に

平らでしょう?

これは専用の柿剥き器を

使うから均一になるのです。

 

私も高校生の頃、

柿剥き器を使って

夜なべ仕事で柿を

剥いていたので、

この状態が分かるのです。

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屋敷前の甘草畑。

町おこしの一環として

甘草を栽培し、甘草羊羹や

甘草ブレンドティ、天草の入浴剤

甘草を入れたお味噌などを

販売しています。

 

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これは屋敷の二階にあった

養蚕の機械。

お蚕さんが繭を

均等に紡ぎだす道具だそうです。

 

昔の日本人は

貴重な現金収入源だった蚕を

単なる飼育生物と見なさず

「お蚕さん」と呼んで

リスペクトしていたんですね。

 

駅前の一等地に

商業施設を作るのではなく、

後世に残る文化財を一般公開して

地元のみならず、広く観光客に

見学してもらう。

 

維持管理費を差し置いても

塩山市のこの取組みは

地方の他県が見習うべき

ヒントが沢山あります。

屋敷を案内して下さる

職員の対応が丁寧で

この文化に誇りをもっている

様子が感じられました。

 

駅前新興開発ばかりが

時代を先取りするとは

限らない。

長期的視野に立ったら

古き良き文化をあえて

前面に提示することが

持続可能な街づくりに

貢献するかもしれない。

そんなモデルになる

甘草屋敷でした。