お坊さんの独り言

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日弁聖人殉教の地

日蓮大聖人の直弟子・日弁聖人のお墓が

高萩市赤浜にあります。

 

鎌倉時代静岡県出身の日弁聖人は

北関東・東北方面の布教を志し、

各地で信者を得て寺院を次々と

建立していきました。

 

73歳の時、宮城県角田市(かくだ)にて

布教中、暴漢に遭い殉教されました。

弟子・信者は千葉県茂原市鷲山寺

遺体を担ぎ帰路を急ぎましたが

時期は6月、ご遺体の腐敗も

進んだことでしょう、

途上、茨城県高萩の地に

埋葬したと考えられます。

 

角田市の殉教地には

慰霊碑が建立されて

700年経った今でも

法要が営まれているとの事で

以前から参拝したいと

願っておりました。

 

ネットで調べても

おおまかな住所しか

分かりませんが、

先ずは現地に伺ってみる事に

しました。

 

仙台市から一時間ほど南下し、

四方を山に囲まれた

米どころ角田市

一級河川阿武隈川

美味しいお米を生み出す

落ち着いて穏やかな東北の街です。

 

先ずは市内の日蓮宗寺院にて

殉教地を尋ねるも、ご住職も

参拝したことがないとの事、

風聞したおおまかな住所を

教えて下さいました。

 

その住所付近をナビ頼りに

向かい、近くの古老にお尋ねすると

更に絞った地域を教えて下さいました。

 

しかし、その地域に到着して

ご近所にお聞きしても

慰霊碑など知らないとの事。

夕暮れが迫り、今回は諦めるかと

思いながらも最後の頼りに

郵便局でお聞きしてみました。

 

局長さん曰く、

民家にポツンと石碑らしき物が

立ってる場所がある、

すぐ近くの所ですよ!

との事で向かってみると

最後の最後に

見つけることが出来たのでした!

 

昭和30年代に行われた

慰霊法要の写真では林の中でした。

その後に開拓分譲されたのか、

現在は個人宅の敷地内に

慰霊碑がありました。

上記写真は道路に面した慰霊碑です。

殉教地とされる場所はお庭の中にあり、

立派なお題目の石碑が建立されて

おりました。

家主がお留守だったので、

勝手に侵入しお経を唱える訳にもいかず

合掌だけして失礼しました。

 

ともあれ、念願の地へお導き頂けた

御礼を述べ、

次回は是非とも読経させて頂きたいと

角田の地を後にしました。