お坊さんの独り言

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妙なる田んぼに立ちて

田植えから4か月、

妙法庵の稲作も収穫の秋を
迎えました。

 

田植え前に殺菌剤をふりかけた以外は

無農薬・除草剤不使用、

追肥も与えず、地力だけでお米を育てました。

肥料を昨年の半分に減らし、

猛暑の中干しをして分けつを抑えたので

昨年より実が少ないようです。

 

でも、栄養過多にならず

茎も伸び過ぎなかったので

9月の台風にも倒伏せず、

しっかりと根を張った稲に成長してくれました。
収穫するまで何が稲に幸いするか

分からないのが面白いところです。
  
収量は昨年より少ないですが、

その分、味の良いコシヒカリになったと思います。
昨年同様、稲刈りはコンバインで委託作業となり
一時間ほどで終了しました。

 

  一晩、乾燥機にかけて

翌日には待ちに待った新米とのご対面です。

二枚目の写真は、選別センサーで

弾き出された「つぶ米」です。

炊飯しても味が良くないので

農協や米屋さんが買い取り

煎餅や米粉に加工されます。

 

稲刈りが終わっても、まだまだ仕事は続きます。
田んぼの深くぬかるんだ場所に

山砂を投入して地ならしをします。

 

今回は軽トラック3台分、

約1,5トンの山砂を買い付け搬入し、

スコップで田に投入しました。

もはや土建業の領域です。

重機のプロが軽やかに山砂を

載せてくれました。


その後にトラクターで秋耕しを行い、

レンゲ草の種を蒔きます。

来年の春に花を咲かせ、

窒素肥料として田に漉き込む為です。

 

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「おれたちは

  みな農民である。

  ずいぶん忙しくて仕事もつらい」【宮沢賢治・農民芸術概論綱要】

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賢治さんの時代から

農業の忙しさは

あまり変わっていないようです。

 

こうした地道な作業の中で

農耕民族のDNAが

日本人の勤勉さを培ったのでは?と

体感する事、しばしです。
  
ともあれ、今年も無事に稲作が終了し

田んぼの恵みに預かり、

大地を的としてご修行できた事を

有難く感じています。

 

コロナ対策が緩和したら

心身を癒す農業体験を募集し

農即仏道の実践を皆さんに

呼びかけたいと考えています。