曼荼羅(まんだら)とは諸仏諸尊の集合体、
神仏の世界観を現した図像のことで
「円満」を意味するそうです。
多いでしょうね。
日蓮聖人は、文字で図顕されました。
構成の詳細は省きますが、
(関心ある方は検索ください)
羅列された諸尊がひな壇形式に
正面を向いていると
捉えられがちなのですが
実は違います。
お題目上方の左右に顕された
お釈迦様・多宝如来のみが正面を向き、
他の菩薩・神々はお二人の如来を
仰ぎ見奉る対面構造になっているのです。
これを仏界と他の九つ世界が対面した
九一対面構造といいます。
曼荼羅の世界に私たち人間も
存在しているのですが、
この世界観を造形として立体化すると、
どのような祀り方になるのか?
世界遺産であるジャワ島の
大乗仏教遺跡・ボロブドール遺跡が
そのモデルになるのでは、と思います。
バベルの塔のようじゃないか!
という方もおられるかもしれません。
違います、神の怒りに触れて壊されるような
建造物ではありません。
詳細は専門的になるので省きます。
過日、本栖湖畔にある
台湾仏教の寺院・本栖寺の本堂に
お参りさせて頂きました。
静謐な本堂に聳え立っていたのは
圧巻の美しさを放つ仏塔でした。
本堂写真は撮影許可を得ております。
華蔵世界を顕わしており、
お釈迦様はじめ他の如来様が
祀られております。
法華経に説く多宝塔とは
立体化すれば、おそらくこのような
宝塔形式で諸仏諸尊が鎮座する形状に
なるだろうと思われました。
日本人には五重塔が古来より
親しみがあるように、
仏教と宝塔信仰は切り離せません。
インド・ネパールを旅しても
仏教・ヒンズー教を問わず、
各地で大小さまざまな宝塔が
信仰の対象とされていました。
形が第一ではないですが、
荘厳美は信仰心を引き出すのも事実です。
立体化して本堂に祀ることが出来たら
どんなに素晴らしいことだろうと
本栖寺の仏塔を仰ぎ見ながら
想像した次第です。