お坊さんの独り言

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木喰上人という生き方

身延町・なかとみ現代工芸美術館にて

「木喰展」が開催中です。

61歳から仏像を彫り始め、

93歳で入寂するまで千体の造像を

彫り残した木喰上人。

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飛騨の円空上人と共に

木彫りの聖として有名なお坊さんです。

 

身延町出身で、今年生誕300年を迎えました。

45歳の時、常陸国(茨城県)で

木食上人から木食戒を受け、木喰行道と名乗り

粗食の身で全国を遊行し、仏像を彫り続けたそうです。

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今回は全国各地の木喰彫像が

一堂に集まった貴重な展示会です。

頬肉が盛り上がった微笑みは

観ているだけで、ほっこり和みます。

 

作品が素晴らしいのは勿論のこと、

上人自身がどのような人間であったのか、

そちらの方にも興味を持ちました。

 

故郷を去り、出家してみて

味わった僧侶としての生き方、

孤独な旅を続ける中で、

人々から受けた施しや誹謗、

故郷の人に請われ四国堂を建立するも

離反者が続出し、84歳にして再び旅に

出た時の心境・・・

 

「まるまると

 まるめまるめよ わが心

 まん丸丸く 丸くまん丸」

 

木喰上人のこの言葉は、

小泉元首相がメルマガで引用したことでも

有名だとか。

 

私は、人間そのものに興味があります。

お会いする人のお仕事や業績も

確かに興味の一部分ではありますが、

それよりも生き様、何を大切に生きているかに

心が惹かれます。

その生き様は、その人の瞳に現れています。

耳にも現れています。

そして顔全体に表現されてくるようです。

 

「目には気迫、顔には生活、言葉には

 教養が現れる」写真家・土門拳の言葉です。

 

木喰上人展、簡単なクイズに答えると

素敵なクリアファイルのプレゼントもあります。

ぜひ、ご観覧ください。