お坊さんの独り言

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北杜市・身曽岐神社 夏越の大祓(なごしのおおはらえ)

6月30日は、暦の上で大祓です。

毎月、古事記の勉強に伺っている

神社へ参詣してきました。

大祓といえば「茅の輪くぐり」ですが

分かりやすい解説ブログがあったので

下記をご覧下さい。

「大祓」とは?茅の輪くぐりの由来と意味、くぐり方について。

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原始仏教には無い捉え方と行事ですが、

日本は「穢れと清め」を重視する国であり、

日蓮宗にも似たような行いがあるので

日本人の宗教性を知る上で神道

避けて通れません。

 

一般的な神社では

参詣者が儀礼的に

茅の輪をくぐるだけですが、

身曽岐神社の大祓は、

参詣者一同が祭殿にて

共に神事を行うのが特色です。

今回参加した一番の魅力です。

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祭殿ならびに祭事は

撮影禁止、

参詣者は県内外から100名を

超えていました。

祭事は一時間ほど、

配布された祝詞を一緒に唱えたり、

人形の紙に息を吹きかけ、

己の穢れを移し、それを葦の船に

乗せる儀式など、

実に素晴らしい祭事でした。

 

張り詰めた緊張感、

参詣者の凛とした美しい拝礼、

そして神殿内に響き渡る

祝詞の合唱。

 

神様の名前を

太鼓に合わせて発声するのですが、

緩やかな唱えから次第に早くなり、

身体全体から搾り出すように

叫びの発声になって、また緩やかに終るという儀式。

腹の底から叫ぶ祝詞によって、

穢れが吹き飛び、清められそうな迫力でした。

これは、日蓮宗にも唱題行という

お題目を緩急で唱える行法があり

大変、興味深い体験でした。

 

また、神主さんの発声に応えて

我々参詣者が「オーゥ」と低音で

発声する儀式。

これ、ヨガでいうところの

「オーム」という聖音です。

原始仏教でもバラモン教の影響を受け、

お経の始まりに「オーム」の聖音を

唱えていたといいます。

日本ではオームが

「阿吽の呼吸」の「あ・うん」となり

仁王様や狛犬が左右で「阿吽」の口をつくり、

物事の始まりと終わりを示すようになりました。

 

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汗をかくほどの祭事が終わって、

直会のお神酒をいただき

御札と神選米のお下がりが配られました。

神主さんや巫女さん達が

実に親切に、かつスムーズに

参詣者を誘導して下さいます。

身曽岐神社はホスピタリティが徹底しており

県内の初詣客第一位の理由も頷けます。

 

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参詣者解散の後、

穢れた人形を乗せた葦の船を

水に流す儀式を執り行い

無事、大祓が終了しました。

 

神主さん達も参詣者も

気の緩みがない

張り詰めた緊張感、メリハリのある儀式、

掃除が行き届き清められた境内、

参詣者の敬神が表れた礼拝、

大音声の祝詞、礼儀と品格の良さ、

神主さんや巫女さんの本気度、

開式前に宮司さんが語られた

口先ではない、信仰の言葉。

学ぶべきこと多い大祓でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

行います。