お坊さんの独り言

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お墓参り

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私が20代の頃、

住み込みでお世話になった

師匠のお寺は駆け込み寺でした。

様々な事情のある方々が

お寺で共同生活をし、

時が経てば去って行きました。

 

Yさんは家庭の事情で故郷を離れ、

70歳を過ぎた年齢で

お寺に住み込んだ、

忘れられない男性です。

 

数年後、周りの反対を押し切り、

本人の希望で特養ホームに

転居しました。

その際、私が施設まで送ったのですが

バックミラー越しに

いつまでも手を振る

Yさんの姿は

今だに忘れられません。

 

紆余曲折あって、その後の住まいも

転々とされ、手紙のやり取りや

時折訪ねては外食に連れ出したり

して交流を続けておりました。

 

晩年の数年間は、

故郷に戻ることができ、

息子さんと暮らすことが叶ったのが

ご本人にとって何よりの幸だったのでは、

と思います。

 

時折、ふとお墓参りに行かせて頂きます。

今日も秋晴れ、思い立ち墓参に伺いました。

墓所の草むしりをして、線香を手向け

読経しながらYさんに語りかけました。

 

お墓を掃除した後の

お参りは、気持ちが

さっぱりします。

なんとも言えない安堵感があります。

 

折よく、ご住職も境内で草むしりを

されていたので、お布施を包み

供養の卒塔婆を依頼しました。

 

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帰りに足を延ばして

諏訪大社の秋宮へ参拝、

その後、門前にある大衆温泉にて

身体を癒しました。

 

亡き人を供養しているようで

実は亡き人に助けられている。

心底、そう実感することが多々あります。

今日はYさんに心から癒された一日でした。

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