お坊さんの独り言

活動詳細はHP「妙法庵」で検索ください

摘み草サミット

甲州市塩山で開催された
「摘み草サミット」を拝聴してきました。
甲州市で長年、摘み草の活動をなさっている
鶴岡舞子さんの告知で知りました。
詳しくは、こちら

http://www.koshu-sci.jp/news/post-79.html

f:id:myohouan:20171009165403j:plain

会場は塩山駅前にある通称・甘草屋敷。
江戸時代に甘草を栽培し成した財で
建てられた素敵な邸宅で、

文化財に指定されています。
庭には今も甘草が栽培され、
町おこしに活用されているそうです。

 

f:id:myohouan:20171009165504j:plain

雑草という草は無い。
言葉通りの講演でした。
摘み草と呼んで、食用や薬用として
古来から重用してきた自然の恵みについての
お話は、とても新鮮でした。

町おこしは、金かけて建物作るんじゃなくて
足元にある摘み草から!という

講師のお言葉も納得です。
これ、あらゆる分野にいえますね。
お寺の世界にもいえることです。

 

長野県売木村で、
摘み草の食堂を経営されている

村職員の方が
最後にご挨拶されました。


標高800m、冬はマイナス20度まで下がり
夏は30度を越す、厳しい環境の村だそうです
けれど、不利な条件を嘆くのではなく、
村にあるものを創意工夫し商品価値を高め、
県外からも人がやってくる。

下記の写真は村で採れる
月別の摘み草料理一覧表です。

f:id:myohouan:20171009165606j:plain


どこにでも生えていて、馴染みのある
雑草、いや、摘み草の

調理法が記してあって
目から鱗です。


これを作製したセンスも素晴らしいと思います。
うちは何も無いと嘆く市町村は、

こういう場所へ
どんどん視察に行って、

学び取り入れていったらよいのに、

と思いました。

 

講師の篠原先生は、

摘み草研究の第一人者であり、
興味深いお話が多々ありました。


ゲンノショウコは薬効成分も考えて
夏至の日に採取するのが一番いいとか、
畑に広く繁殖するスベリヒユは、
DHAオメガ脂肪酸を多く含み、

胃痛などにも効くとか、
普段、摘んで捨てている

植物の成分と効能など
知らないことばかり。

f:id:myohouan:20171009165753j:plain


私は農家の育ちですが、これら摘み草の効能について
全くといっていいほど知らなかったし、

気にもとめませんでした。
昔の日本人は、これらを調理したり、

お薬にして生活を営んでいたんですね

 

この講演会には、山形や新潟など遠県から聴講に
来られた方もおり、関心の高さを示しました。
こうした意識ある方々が、大自然や古来からの叡智を
学び、実践していくことが後世へ最大の贈り物となります。
私もその一人として、自然との共生を掛け声だけでなく
日常に取り入れていきたいと思いました。