甲州市塩山で開催された
「摘み草サミット」を拝聴してきました。
甲州市で長年、摘み草の活動をなさっている
鶴岡舞子さんの告知で知りました。
詳しくは、こちら
http://www.koshu-sci.jp/news/post-79.html
会場は塩山駅前にある通称・甘草屋敷。
江戸時代に甘草を栽培し成した財で
建てられた素敵な邸宅で、
文化財に指定されています。
庭には今も甘草が栽培され、
町おこしに活用されているそうです。
雑草という草は無い。
言葉通りの講演でした。
摘み草と呼んで、食用や薬用として
古来から重用してきた自然の恵みについての
お話は、とても新鮮でした。
町おこしは、金かけて建物作るんじゃなくて
足元にある摘み草から!という
講師のお言葉も納得です。
これ、あらゆる分野にいえますね。
お寺の世界にもいえることです。
長野県売木村で、
摘み草の食堂を経営されている
村職員の方が
最後にご挨拶されました。
標高800m、冬はマイナス20度まで下がり
夏は30度を越す、厳しい環境の村だそうです
けれど、不利な条件を嘆くのではなく、
村にあるものを創意工夫し商品価値を高め、
県外からも人がやってくる。
下記の写真は村で採れる
月別の摘み草料理一覧表です。
どこにでも生えていて、馴染みのある
雑草、いや、摘み草の
調理法が記してあって
目から鱗です。
これを作製したセンスも素晴らしいと思います。
うちは何も無いと嘆く市町村は、
こういう場所へ
どんどん視察に行って、
学び取り入れていったらよいのに、
と思いました。
講師の篠原先生は、
摘み草研究の第一人者であり、
興味深いお話が多々ありました。
ゲンノショウコは薬効成分も考えて
夏至の日に採取するのが一番いいとか、
畑に広く繁殖するスベリヒユは、
DHAオメガ脂肪酸を多く含み、
胃痛などにも効くとか、
普段、摘んで捨てている
植物の成分と効能など
知らないことばかり。
私は農家の育ちですが、これら摘み草の効能について
全くといっていいほど知らなかったし、
気にもとめませんでした。
昔の日本人は、これらを調理したり、
お薬にして生活を営んでいたんですね
この講演会には、山形や新潟など遠県から聴講に
来られた方もおり、関心の高さを示しました。
こうした意識ある方々が、大自然や古来からの叡智を
学び、実践していくことが後世へ最大の贈り物となります。
私もその一人として、自然との共生を掛け声だけでなく
日常に取り入れていきたいと思いました。