お坊さんの独り言

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新年です!

ご覧の皆さま、

明けましておめでとうございます!

喪中の方は、寒中お見舞いと

本年の幸多きことを祈念申し上げます。

皆さまにとって、調和のとれた

平和な一年でありますように。

 

私は山梨での所用が多く、

新年は身延で過ごしました。

年越し零時は、

久遠道場で太鼓を叩きながら

お題目と共に迎えました。

 

ご来光は市川三郷町にある

お釈迦様の御舎利を祀る

仏舎利塔へ。

正面に望む富士山から

まばゆいご来光を拝しました。

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その後は、日蓮聖人のご廟所へ詣で

新年のご挨拶と読経。

身延山も多くの参詣者で賑わっていました。

道場にて新年のお経を上げた後は、

休む間もなく、七面山へ。

 

晦日から登っている方々も

多く、登り道でも多くの下山者に

お会いしました。

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標高1982m、2時間半かけて

到着しました。

 

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今回は奥の院の宿坊へ宿泊、

毎回のことながら、精進のお食事が

とても美味しいのです。

9時に消灯し、2日の朝は6時からお経の勤行。

そして6時50分、

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本堂正面から望む

神秘的なほど美しい

ご来光と富士山です。

気温はマイナス6度でした。

 

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別当さん(ご住職)の朝の法話

「あなたの歩む道の後が

 ゴミになるのではなく、

 世の光となるように

 生きてください」

 とありました。

私もそうありたい、

と胸に響いた言葉です。

 

明治のキリスト者内村鑑三氏の

言葉を思い出しました。

「どれだけ多くの金を稼いでも、

 どれだけ大規模な事業を成しても、

 どれだけ立派な文学を著しても、

 それを成した人の人生に比べれば

 小さいものです。

 本当に素晴らしいのは、

 その人が起こしてきた人生そのもの、

 失望や逆境や不幸の中でも諦めず

 耐えて成しえた、その人が生きた軌跡、

 それこそが「後世への最大遺物」なのです。」

 

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境内は

元旦の夜にうっすらと雪化粧していました。

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本社の脇にある一の池は

厚い氷が張り、更にパウダースノー状態でした。

 

皆さんの歩まれるこの一年も、

世の光となりますように。

神仏への敬虔なる想いを

お題目の声に表して

共に精進して参りましょう!合掌

 

 

 

元旦参拝のお知らせ

いよいよ年の瀬、

皆さん、大掃除は

お済でしょうか?

こちらは高萩・妙法庵の

大掃除を上旬に済ませ、

身延・久遠道場も

やっとこさ終えて

新年を待つばかりとなりました。

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今年も汚れ落としに

重曹が大活躍、

安心して使えるし

気持ちいいほど落ちるので

毎回重宝しています。

 

さて、恒例行事となっている

元旦のご来光参拝と七面山登詣の

ご案内です。

元旦6時、市川三郷町にある

仏舎利塔に参拝して

正面に望む富士山からのご来光を

拝みます。

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その後は身延山に移動して

日蓮聖人のご廟所に参拝、

車で移動した後に

七面山に登り、奥の院に宿泊して

2日のご来光を山頂より拝みます。

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早朝の寒気を感動が上回り、

気持ちが引き締まる参拝です。

 

ギリギリの告知になりましたが

どちらか一方だけでも参詣したい方がいれば

ご一報ください。

ご来光に向かってお題目を唱え

パワー全開の新年をスタートしましょう!

 

山梨・クリスマス法話会

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本年最後、

今はやりの言葉で言えば

「平成最後」のクリスマス法話会を

開催しました。

 

神の子・イエスの元に三人の博士が

貢物を捧げている絵図を

曼荼羅本尊の前に供えて

皆さんとお経を唱えました。

 

今回の法話は、

神の愛を体現した

二人の女性について

お伝えしました。

 

一人はハンセン氏病患者に

寄り添った精神科医神谷美恵子氏。

もう一人は、「国境なき医師団」の

看護師として、シリアなどの激戦地で

医療活動を行っている白川優子氏。

著名なお二人ですが、初めて知った方は

ネットなどでお調べください。

 

今回は少ない参加者でしたが、

読経後のお茶会では

日が暮れるまで

様々な話に花が咲きました。

 

平成31年最初の法話会は

1月28日午後1時半より

新年初祈祷会です。

新年の御守り・木札も授与いたします。

遠方で参加できない方は

衣類を送ってくだされば

ご祈祷して返送しますので、

ご希望であれば事前にご連絡ください。

尚、茨城県妙法庵での新年祈祷会は

1月26日午後2時より開催します。

 

山梨県の参加者の皆さん、

今年も一年、法話会にご参加

誠に有難うございました。合掌

 

 

 

 

法話会の告知です

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今年最後のクリスマス法話会を

明日24日、午後1時半より山梨県甲斐市にて

開催します。

どなたでも参加歓迎いたします。

配布資料を用意しますので、

参加希望の方は

事前にご連絡をお願い致します。

 

祈りとは魂の叫び

青梅道場から牧野上人様が

1泊2日で久遠道場に来山、

年末のご廟所にて一緒に

唱題修行を勤めました。

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牧野上人様のお題目は

独特の音色があります、

時には叫びのようにも聞こえます。

 

「唱えるんじゃない、

 叫ぶんだ!

 仏さま、

 このどうしようもない俺を

 助けてくれ、救ってくれ!と叫ぶ

 魂の声なんだ」

 

 そう仰います。

 うん、だから心に響くんだと思います。

 

 

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 牧野上人様は

 右足がありません。

 義足に支えられながら

 ご修行に励むご出家です。

 その生き様から発せられる

 言葉の一つ一つに、

 いつも心を打たれ、

 自分のこざかしさを恥じ、

 信仰の糧を沢山いただきます。

 

 夜は友人の住職夫妻をお招きし、

 牧野上人様を囲んで

 ささやかながら忘年会となりました。

 友人が持参したCDアルバム、

 友川かずきの歌に「南無妙法蓮華経」という

 タイトルの曲があることを知りました。

 聴いたら、友川さんの「南無妙法蓮華経」が

 また凄かった。心をえぐられるようなお題目でした。

 友川かずきの魂が叫んでいました。

 

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翌日は富士宮市にある本照寺に参拝。

ここには「熱原法難」で殉教された

農民のお墓があります。

日蓮聖人の晩年に、この地で

お題目信仰に励んでいた

3人の農民信者が時の権力者によって

いわれなき罪をかぶせられ、

処刑された大事件の場所です。

 

ちなみに、農民たちと共に

布教に励んでおられた日弁上人という

お弟子さんも晩年、東北の宮城県にて

念仏信者らに襲われ殉教しています。

御年76歳という鎌倉時代では

高齢の身で、殉教されているのです。

そのお墓は妙法庵がある

茨城県高萩市にあります。

 

不自由なお体で、

この一年間、何度もご廟所へ

お参りに来られた牧野上人様。

今年の締めくくりにお題目を叫び、

お題目に命を捧げられた先師を偲んだ、

有難い2日間でした。

 

 

 

 

 

大自然の恵み

御修行が終わって、

高萩市・妙法庵へ戻り年末の諸準備。

供え餅を蒸かす薪割りをしたり、

大掃除や農作業などに汗を流しました。

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茨城が北限といわれるミカン。

今年は例年以上に

甘く実りました。

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柿は外れ年なので、

干し柿も乏しいすだれ模様です。

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母が小ぶりの紅はるかで

茨城名産・干し芋をこしらえていました。

竈で蒸すこと3時間、

じっくり時間をかけることで

ねっとりとした甘さが出てくるそうです。

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すべては大自然の恵みです。

太陽と土と水があれば、

どこにいても生きることができます。

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農的生活をされている方が

おっしゃっていました。

天候不良の影響で

来年は小麦の値段が上がるかもしれない。

代用として米粉パンのニーズが増えるかもしれない。

日本人は米食が命だから、

これからの時代、やはり「米」を生産する必要性は

ますます重要になってくるだろう、と。

食料自給は、誰もが取り組むべき

喫緊の課題でしょう。

 

大地に足をつけて

汗を流す生活は、

精神性や思考態度をも

健全化してくれます。

都会であっても、道路の道草に

視線を落としてみれば、

その可憐さや生命力に

心が洗われると思います。

 

大自然そのものが大曼荼羅ご本尊。

お題目が自然と口からこぼれる

恩恵の日々でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

臘八接心・お断食唱題修行

12月8日はお釈迦様が

悟りを開いた聖日だそうです。

そのご修行に倣い、

1日から8日までお断食をしながら

お題目を唱え続けるご修行に

行って参りました。

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東京都青梅市里山にある妙法寺

ご住職の牧野上人様とは

十数年のお付き合いです。

千葉の清澄道場や、南インドの道場でも

お断食を経験しましたが、

近年は牧野上人様のお寺で

お断食修行をさせて頂いております。

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朝5時から夕方6時半まで

休憩なしで、ひたすら太鼓を叩き

お題目を唱え続けます。

今年は一日半、

ご信者の女性も参加されました。

お帰りの後は、二人きりの

ご修行となりました。

 

3日までは水分も抜いた

お断食なので、肉体には

かなり堪えます。

胃液がこみ上げてくることもあり、

牧野上人様は洗面器に吐きながら

ご修行を続けておられました。

お断食に弱い私も

毎回、ヘロヘロです。

 

そして、4日目。

やっと水が飲めます。

水を口にした瞬間と

水分が五臓六腑に

染み渡っていく感覚は

毎回、感動ものです。

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水を頂いた後は、

熱い梅湯を10杯ほど

飲み干します。

こうして胃腸を刺激すると

冷え込んだ皮膚から

一気に汗が吹き出し

下剤をかけたようにお腹が

下ります。

 

びろうな話ですが、

黒いタールのような宿便が

排出されて、胃腸が洗浄されるのです。

この浄化作業?が終わるまでは

気が抜けません。

 

でも、出し切ると

本当にスッキリします。

皮膚も艶を増して

細胞全体が

生まれ変わる感覚です。

 

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その後は、生野菜などを頂いて小休止、

5,6日と再びお断食をして

7日に同じ洗浄作業を行います。

体重は2キロ減りました。

 

そして、今年も無事に8日の朝を迎えました。

お釈迦様のお悟りを祝う

成道会をお勤めし、

小豆粥を頂戴しました。

一足早い、新年のお祝いです。

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牧野上人様と私は親子ほどの年齢です。

写真では分からないですが、

牧野上人様は片足が義足なのです。

 

不自由な御体に加え、

体力が落ちている中でも、

怠ることなくご修行を勤める

後ろ姿は、雄弁な説法にも勝る

現身説法です。

 

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お寺の前に広がる

茶畑と奥多摩の丘陵です。

 

お断食明けには、

何を見ても新鮮で美しい。

風景や人々が、その姿をもって

教えを示してくれているような

尊い感覚にさえなります。

 

そして、何を食べても美味しい!

胃腸が非常にデリケートになっているので

私の場合、一週間ほどは蕎麦などの

油を控えた食事になります。

お断食は復食を失敗すると

健康を損ねるので、自己流は禁物です。

 

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今回もご一緒にお題目を唱え、

様々な御教示を頂き、対話を重ね

様々な学びがありました。

 

臘八接心は、

一年の総決算でもあり、

来る新年への心構えでもあります。

お釈迦様・日蓮聖人様のご加護や

ご縁のある方々からの

差し入れに支えられて

お勤めさせて頂けたこと

心から感謝しております。

 

この8日間を

ご縁ある皆さんに

形を変えて還元して参ります。

 

その前に、

今しばらくは

食べ過ぎないよう

ブレーキをかけないと!ですね。