お坊さんの独り言

活動詳細はHP「妙法庵」で検索ください

山梨県甲斐市・ほうろく灸祈祷会

f:id:myohouan:20180629101241j:plain7月30日(月)午後1時半開式です。

暑気祓い・頭痛封じ・安眠・自律神経の調整に

効能あり、と古来より伝わる祈祷です。

 

ほうろく皿をかぶり、艾を焚いて

頭頂にある「百会」のツボを刺激します。

艾が燃えている間、参加者の正面で

僧侶がお経を唱えながら、九字を切り

邪気を祓います。

 

心身共にスッキリする!と

毎年好評を頂く夏季限定の祈祷会です。

参加希望の方は、事前申込をお願いします。

尚、人数が集まれば午前の部も開催します。

 

茨城県高萩市・妙法庵では8月上旬に

ほうろく灸祈祷会を行いますので

茨城方面の方は、そちらへご参加ください。

摘み草中級・実践コース

山梨県塩山で行われた

全4回実践講座の夏編。

今回も野に出て、様々な野草を

摘みました。

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ヤブカンゾウの花と新芽。

 

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染料にもなるツユ草。サラダで食べられるのです。

ただし、紫ツユ草は園芸種なので食べられません。

 

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ノビルの珠芽。男性の強精剤として効果バツグン?だそうです。

 

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黄色が綺麗な草花、でも毒草です。

判別を知らず、安易に野草を食するのは危険です。

 

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こんなに採れました!

そして、こんなご馳走に変身しました!

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会場近くの農家さんで

スモモを収穫させて頂きました。

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次回は11月の秋編。

木の実について学び、食します。

妙法寺あじさい参拝

今月の山梨法話会は

富士川町の古刹・妙法寺参拝と

あじさい鑑賞を行いました。

妙法寺は開創1300年の

歴史を誇る日蓮宗の本山です。

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あじさいも見ごろをむかえ、

多くの参詣者で賑わっていました。

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大本堂で参加者の方々と

お経を唱え、お題目を唱和させて

いただきました。

広い堂内に読経の声が響き渡り、

とても気持ち良かったです。

 

読経中、後方入り口にある

賽銭箱へ次々とお賽銭が入る

音が聞こえてきました。

参詣者の気分として

本堂からお経が聴こえていると

お賽銭を上げたくなるのかもしれませんね。

 

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妙法寺里山

柚子の産地としても有名で、

参道には加工品の直売所もあります。

 

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昼食は、ゆずの皮を練り込んだ

柚子うどんを頂きました。

ほんのり香りがよくて、

薬味の柚子からしも絶品でした。

他にも柚子ソフトクリーム、柚子サイダー、柚子ワインなど

様々な加工品があります。

地域の特産物を活かし

里山の魅力を発信し続ける

このような活動は、他市町村でも

大いに参考となることでしょう。

 

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広大な境内と数々の伽藍が

建ち並びますが、このお寺は

檀家さんが無いそうです。

戦後の本山末寺解消で

収入源が無くなり、

現在の住職さんが

自坊からの持ち出しで

お寺を維持運営しているそうです。

 

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天井には、住職さんが

入山する際に乗る輿がありました。

このように格式と大伽藍はあっても、

維持運営費に困窮する本山が

全国各地にあるのが現状です。

 

諸行無常」・・・

すべては移ろい行き、

形あるものは、やがて崩れ行くのが

仏教のテーマですから、

寺院といえども永遠に

存続することはないし、

むしろお寺や僧侶は

現状を維持するのではなく、

無常を率先して体現していかねば

ならない存在でしょう。

 

それでも出来得るかぎり伝統を守り続け

広く人々のために、祈りと安らぎの場として

お寺を維持運営していこうと

皆さん奮闘されているのも現実です。

 

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妙法寺は、お寺の方々と

地域の方々による努力と誠意、

丹精込めた維持運営が感じられる場所です。

あじさい祭りは、今月30日まで開催中です。

どうぞ、足をお運びください。

 

 

 

日立市の日冬堂

江戸時代、水戸街道から

奥州街道と合流する岩沼までを

「岩城相馬街道」と称し、

両者を合わせて「浜街道」と

呼んでいました。

妙法庵の所在地・高萩市を通る

国道6号線は別称「陸前浜街道」と

呼ばれています。

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その浜街道から奥まった

旧街道沿いに

日冬堂というお堂があります。

住所は高萩市の隣町・日立市になります。

 

江戸時代末期、

日冬上人というお坊さんが

この地で布教中、村人から邪教扱いされ

殺されてしまい、明治になってから

慰霊碑が造られました。

しかし、どういうわけか

時の経過と共に慰霊碑が

埋没してしまったようです。

茨城県儒教を重んじる水戸藩

率先して廃仏毀釈を遂行した

土地柄ですから

石碑の扱いも想像に難くありません。

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時代が過ぎて昭和60年代、

常磐自動車道の工事中に

この慰霊碑が地中から

発見されたそうです。

ところが、これ又どういうわけか

工事関係者がこの慰霊碑を

粗末に扱ったそうで、その後

怪我など不吉な出来事が多発し

地域の心ある方々が場所を選定して

この日冬堂を建立したそうです。

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ご命日の24日がご縁日だそうです。

近隣の方々には「おめぐみ様」と呼ばれ

霊験あらたかな聖域として尊崇されています。

私はネットサーフィンで

この地を初めて知り、

卒塔婆を上げて

お参りしてきました。

昼間でも怖いくらい

雰囲気のあるお墓でした。

 

高萩市には

日蓮聖人の直弟子であり

北関東から東北を布教された

日弁上人のお墓があります。

このお坊さんも奥州で

念仏信者に殺されております。

一説によると日弁上人のお父様も

静岡県の熱原という地で

殉教されています。

「熱原法難」と呼ばれ

日蓮宗門を弾圧した大事件です。

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お題目を広めるということが

命がけであったこと、

地元に祀られた

お二人のお坊さんの

足跡をお参りして

身が引き締まる思いを致し、

お題目の信仰に向き合い、

様々な想いが胸中を巡った次第です。

 

 

 

 

 

 

 

 

癒しのバスソルト

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山梨のお友達が真心こめて

作っているバスソルトです。

さまざまなハーブと岩塩のブレンド入浴剤なので

身体の芯から温まり、香りにも癒されます。

その方に合ったブレンドをして下さるので

贈り物としても喜ばれますよ。

ご注文は下記のアドレスへどうぞ~。

 

 

今日も摘み草

甲州市塩山にて

摘み草のお手伝い。

ヨモギヒメジョオン、カキドオシ、ヤブガラシ

手摘みしました。

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摘み草の名の通り、

手が慣れてくると

手折る箇所が自然と分かるので

面白いです。

手折る箇所が違うと

硬かったり、筋張ってして

スムーズに切れません。

まるで野草自身が、

「ここから手折ればいいんだよ」

と教えてくれるようです。

その手折った箇所が

食べて美味しい部分となります。

 

それに、ハサミで切るのと違って

手折ると、野草の持つ植生が

手触りで分かります。

ヌメリがあったり、汁気が多かったり

外見だけでは分からない発見があります。

知らない分野を学ぶことは

本当に楽しいものです。

 

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これは軍配ナズナ

大根おろしのような

辛味があって

料理のアクセントになりそうです。

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ヨモギは洗って

陰干ししてから入浴剤になります。

 

お昼をご馳走になりました。

山梨県内で仕留めた鹿肉のカレーです。

圧力鍋でお肉を柔らかくして

臭みも全くない美味しいお肉でした。

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午後からは、旬の果実スモモの出荷作業。

ビューティという果汁タップリの品種です。

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大地の恵みに感謝し

自然に触れて働くのは

実に清々しい気持ちになります。

妙なる畑に足を下ろし、

今日も尊い一日が暮れました。

 

『八つ墓村』で思い出したこと

夏の入道雲を見ると
思い出す邦画があります。
今から40年前に公開された
松竹映画『八つ墓村』です。
飛行場に立ち昇る入道雲が
印象的なラストシーンでした。

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金田一役の渥美清さんが
公開前に語った言葉です。

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「『八つ墓村』の原作の
一番元になったという所へ
今度、金田一耕助として旅をしてきました。
三十数人殺した人が、
自分で命を絶ったという場所でした。

その旅をして、しみじみ思ったんですけども、
あの中国山脈の麓には攻めた毛利と敗れた尼子、
これは遠い昔の戦国の物語ではなくて
現在でもその子孫たちが、
ごく新しい石碑を建てたり、
あるいはみんなが集まって
先祖の霊を偲ぶ会をもったり、
落人の部落があったりします。

人の命は消えても、
血となってその子孫に
ずっと残っていくもんだなと
思いました。

今度のこの『八つ墓村』というのは、
決して絵空事の物語ではなく
現在も生き残っている人たちの話だと、
金田一はそう思います。」

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日本各地の山村を歩くと、
八つ墓村のような風景が
今でも息づいていることが分かります。
その土地で暮らしてきた
長い歳月の中には、
様々な人間ドラマや
時には事件もあったことでしょう。
それが風土となり、人の血となって
残っていくものなのでしょうか。

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「病人田」と呼ばれる
山あいの田んぼを見たことがあります。

その田を男性が耕すと、
必ず不吉な病や事故で

死んでしまうという
昔からの言い伝えがあり、
地元の民話にも載っているほど

有名な恐れ事でした。

 

事実、その田を手に入れ
耕作した農家では、
次々と男性が亡くなり、
女性だけで田を耕すことにしたら
災厄が止まったと
お聞きしました。

確かに、なんともいえない
暗い雰囲気が漂った
田んぼだったことを覚えています。

このような、いわゆる「忌み地」と
呼ばれる田や畑、山の話は全国各地で
見聞します。
その場所を供養したり、慰霊碑などを
祀ることで現象がピタリと止まった
という話もよく耳にすることです。

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その土地や祖先の想いを受け入れ、
慰め、尊んでいく。
どんなに時代が変ろうとも
決して疎かにしてはいけない事だと
つくづく思いました。