お坊さんの独り言

活動詳細はHP「妙法庵」で検索ください

JR塩山駅前の甘草屋敷

JR中央線塩山駅前に

「甘草屋敷」なる豪邸が一般公開されています。

甘草で富を得た豪農の屋敷で、

文化財指定を受けています。

入館料300円で甘草茶のお接待つき、

屋敷の説明もして下さいます。

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前日に干し柿作りの

ボランティアさん達が

吊るしてくださったそうで、

風情のある屋敷となりました。

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よくご覧下さい。

柿の上の部分が均一に

平らでしょう?

これは専用の柿剥き器を

使うから均一になるのです。

 

私も高校生の頃、

柿剥き器を使って

夜なべ仕事で柿を

剥いていたので、

この状態が分かるのです。

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屋敷前の甘草畑。

町おこしの一環として

甘草を栽培し、甘草羊羹や

甘草ブレンドティ、天草の入浴剤

甘草を入れたお味噌などを

販売しています。

 

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これは屋敷の二階にあった

養蚕の機械。

お蚕さんが繭を

均等に紡ぎだす道具だそうです。

 

昔の日本人は

貴重な現金収入源だった蚕を

単なる飼育生物と見なさず

「お蚕さん」と呼んで

リスペクトしていたんですね。

 

駅前の一等地に

商業施設を作るのではなく、

後世に残る文化財を一般公開して

地元のみならず、広く観光客に

見学してもらう。

 

維持管理費を差し置いても

塩山市のこの取組みは

地方の他県が見習うべき

ヒントが沢山あります。

屋敷を案内して下さる

職員の対応が丁寧で

この文化に誇りをもっている

様子が感じられました。

 

駅前新興開発ばかりが

時代を先取りするとは

限らない。

長期的視野に立ったら

古き良き文化をあえて

前面に提示することが

持続可能な街づくりに

貢献するかもしれない。

そんなモデルになる

甘草屋敷でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三回忌をお勤めして

たまに法事の依頼があり、

初対面の御霊に対して

供養のお経を唱える機会があります。

 

本日伺ったご法事は

48歳で亡くなった女性の三回忌。

ご主人と小学4年生の娘さんが

施主でした。

 

「こんにちは!」と、

はにかみながら挨拶してくれました。

父親の側に寄り添いながら

母親の供養を

じっと見つめておりました。

 

一番甘えたい年頃に、

母親不在の境遇は

本人にしか分からない

現実でしょう。

三回忌と併せて

納骨も行いましたが、

気持ちを納めるために

それだけの期間が

必要だったのかもしれません。

 

勉強が出来るよりも

人の辛さ悲しさが

分かる事の方が

人間として宝物です、

と法話の中で話しました。

彼女に届く言葉だったか

心許ないですが、

今日の出来事すべては

娘さんにとって生涯心に残る

一日だったことでしょう。

 

すべては一期一会、

娘さんと笑顔で握手をして

お別れしました。

抜けるような青空の下、

彼女の幸多からんことを

切に祈るばかりでした。

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イモ堀りとコーヒーと

茨城の実家にて

サツマイモ堀りを

手伝いました。

紅はるか、焼き芋に美味しい品種です。

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ねっとり甘い安納イモも

収穫しました。

すぐに食べられるのかと

思ったら、安納イモは

来年の2月位まで畑に埋めて

熟成させないと美味しくないとか。

紅はるかも、10日ほど

天日干しした方が甘みが出て

美味しくなるそうです。

今更ながら、そんなことを知った次第。

手間隙かけないと、美味しいものは

出来ないんですね。

それにしても、掘り起こし作業は

汗が吹き出るほどの大仕事、

何でも実際にやってみないと

分からないものですね。

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そのイモをお土産に

房総半島でカフェの総支配人を勤める

お友達の元へ。

彼女はお題目の修行に取り組んだり

自宅を開放して法話会を主催したりと

仏教に親しみを寄せる篤信者でもあります。

 

金谷にある会員制古民家カフェ「えどもんず」

とても美味しいコーヒーを

淹れて下さいます。

彼女も昨年から農業を始めたそうで

大人気のニンニクを栽培しています。

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目の前にやってくる困難は

選択ができる。

私たちには選択できる

自由がある。

恵まれた自由があるのだから

人生を楽しまなくちゃ勿体無いよね、

そんなコーヒー談義を味わいました。

 

 

母のお供で七面山

ここ数年、秋になると
母の希望で七面山登詣にお供しています。
不肖の倅ですので、せめてもの
親孝行の真似事です。

母は7回目の登詣、

今年も天候に恵まれ
順調にお参りが叶いました。

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山頂は1982mですが、
七面大明神を祀る敬慎院は
その下に建立されています。
登りが3時間半、下りが2時間でした。
長年、農作業で足腰を鍛えているだけあって
母の年齢にしては早いペースです。

 

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女人踏み分けの祖、お萬様にご挨拶して
登り始めます。
紅葉は来週が身頃のようでした。

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宿坊での食事は精進です。
お神酒が五臓六腑にしみわたり、
疲労と寒さの後に頂く

わかめの味噌汁は
格別の旨さです。

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翌朝は5時半起床、
お坊さんが連打する激しい太鼓が
坊内に響き渡り、朝から気合が入ります。
気温-2度、山門前の雲海に
富士山が浮かび上がります。
6時20分、ご来光が拝めました。

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何度登っても、この瞬間は感動ものです。
周りにいる参拝者の口々から
自然とお題目が聞こえてまいります。

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七面山は信仰の霊山です。
この御山では、
出会う方々が手を合わせ
登詣を労い合う心地よさがあります。
登山レベルも中級程度だそうなので、
未体験の方は一度、登られては
いかがでしょうか?

信仰をもって逝くこと

ご縁のあった方が亡くなりました。
道場へお参り下さったり、
他所でお茶会をご一緒したり
数回の出会いでしたが、
私にとって

忘れられない信仰の篤い方でした。


読経や法話後のお茶会で

目に涙を浮かべながら
「こういう場が本当に嬉しいね」と
周りの方々に優しさを振りまく
お方でした。

 

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過日、奥様やご友人、そして
息子さん方が身延山に参詣に来られ、
ご廟所参りにご一緒させて頂きました。


息子さん2人は、

かつて父と登った七面山に
供養の登詣をされ、

下山するまでの間、
道場にて奥様やご友人と

お茶会をしました。

 

闘病中に記された

数枚のメモ書きを
コピーして頂戴しました。

ご自身が病の中から
感得された魂の設計図、
生死を越えた真理の世界観は
頭で考えたものではない、
生死と向き合う者にしか

体得できない
数々が記されてありました。

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深夜、黄昏時、
ある時は点滴の合間に
書き残したその一部を
ご紹介させて頂きます。


 「病気をしたことによって
  仏心が動き出す感じがする。
  体の成り立ちは、輪廻転生と、
  神の子・仏の子の部分と
  先祖から流れるDNAによるものと、
  両親の愛とにより形作られると思う。
 
  だから、その瞬間に仏心は存在する訳だ。
  ただ、仏心の育つ環境は本人の努力もあるが、
  両親の善行によるものがあると思う。
  そのスタートは、一滴の水、一粒の米、
  それが体あるいは魂を潤し、そして成長させる。」
 
   「輪廻とは、
  宇宙を旅することと思う。
  宇宙を旅している間に、
  いろいろな仏に出会い
  祝福されたり、
  教えを受けたりする、
  最高の空間の状態と考えられる。」
 
 「死とは、人間として最も楽な状態。
  苦から解き放たれた
  無の状態と言えると思う。
  純真無垢の状態とも言える。」

 

 「社会に貢献できる体になるには
  自身の回復力と精神力、そして
  仏心のご加護にあると思います。
 
  そして家族・大勢の皆様からの
  エールに対して
  南無妙法蓮華経と申し上げたいです。
 
  健康でいる毎日でも、
  何か作業している時でも
  遊んでいる時も、
  お題目はありがたいお守りです。」

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 ご自分のお父様の遺訓にも
 触れています。

 「人は、世の中全てのものに感謝し、
  恩返しをすること。
  恩返しをするのに
  金銭物品ではなく、
  業によって恩を受けているので、
  各自の業で感謝の気持ちを
  プラスして恩返しする。
 
  一般社会にも家庭においても、
  人の喜びを自分の喜びとするまで
  精進する。」

 

 病床を見舞う

 信仰仲間のご友人と
 ご自身の宗教観について
 一つ一つ確認するように対話を続け、
 心安らかなひと時を

 過ごされたとお聞きしました。
 

 そして、命の間際には
 ご家族や主治医の方々に
 深々と御礼を述べられたそうです。
 

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 信仰があって良かった。
 お題目に出会い、

 そのご縁でつながった

 心から信頼できる人々と
 出会えて良かった。
 

 その想いは、

 ご自身もご家族ご友人も
 同じことと思います。
 私も、その尊いご縁に触れられて
 心から感謝しております。

建築家・安藤忠雄展『挑戦』

独学で建築を学び、

日本のみならず世界中に

斬新な建築作品を送り出す

安藤氏のエネルギーは多くの人を

魅了します。

東京大学での講演録、

『連戦連敗』(タイトルが挑戦的です!)

を読んで以来、惹きつけられる先駆者です。

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建築は暮らしの基礎、

それを物語るように美術館は

多くの人出で賑わっていました。

 

安藤氏の代表作といえば「光の教会」。

打ちっぱなしのコンクリを

十字に開き、自然光の十字架が現出する

シンプルかつ神聖な教会です。

今回、原寸大で野外展示場に再現されました。

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光は神々しい。

ただ、それだけでサンクチュアリです。

安藤氏は斬新なお寺も設計されていますが、

今回、こんな大仏さんを初めて知りました。

これは、現地で見てみたいものです!

飽くなき挑戦、

これが稀代の建築家と呼ばれる

所以ですね。

 

国立新美術館へは、

地下鉄・乃木坂駅下車で

会場直結です。

生きるエネルギーが

下がっている方へ

おススメします!

 

 

アド街ック天国・高萩編

www.tv-tokyo.co.jp

テレビ東京の回し者ではないですが・・・

妙法庵がある茨城県高萩市

1時間番組で取り上げられます。

私の生まれ育った故郷でもあります。

 

連ドラ「ひよっこ」の舞台効果でしょうか、

北関東の田舎街・高萩の名を

あちこちで目にします。

上野駅から特急で2時間、

東北方面の玄関口です。

 

4日、今夜9時から放送です。

ご覧になって興味をもたれたら

紅葉の高萩に

ぜひお越しになってみてください。